反復性肩関節脱臼|スポーツ整形外科|整形外科
反復性肩関節脱臼とは
肩関節の可動範囲は関節の中で最大であり、最も脱臼しやすい関節です。スポーツ外傷など、比較的強い外力などで最初に脱臼し、そのほとんどが前方に脱臼し、若年者ではしばしば再脱臼し、反復性肩関節脱臼になります。再脱臼する原因の一つにバンカート損傷があります。これは前方の関節包と関節唇の複合体が剥離してしまっているために再脱臼してしまいます。

肩関節前方脱臼の単純X線像
反復性肩関節脱臼のMRI像
(バンカート損傷)
反復性肩関節脱臼の治療
はじめて脱臼した場合には、3-4週間程度の内旋位固定が一般的とされてきました。しかし内旋位固定では高率に再発するといわれており、従来の内旋位固定よりも外旋位固定法で良好な臨床成績を報告されています。しかし、外旋位固定は日常生活が不自由なため治療をうまく守れない患者さんも多いとも報告されています。
反復性(何度も繰り返す)肩関節脱臼となってしまい、スポーツ活動や日常生活に支障を期待している場合には手術治療が選択されます。手術は関節の状態やスポーツ内容によって大きく2通りの手術治療(①鏡視下バンカート修復術・②烏口突起移行術)があります。当院でも患者さんのスポーツ種目やニーズによって2通りの手術を施行しています。
① 鏡視下バンカート修復術手術前(関節鏡写真)
手術後(関節鏡写真)
関節唇とその支援組織を関節窩に縫い付ける
烏口突起移行術(Bristow変法)
烏口突起移行術(Bristow変法)