膝内側側副靭帯(MCL)損傷|スポーツ整形外科|整形外科
膝側副靱帯損傷(内側側副靭帯損傷:MCL損傷)
膝内側側副靭帯損傷とは
側副靭帯は膝の内・外側にある靭帯で主に横方向への膝の安定性を担っています。この項では頻度の高い内側側副靭帯(medial collateral ligament:MCL)の損傷について説明します。内側側副靭帯は大腿骨内側上顆から脛骨内側に幅広く付着する扁平な靱帯です。内側側副靭帯損傷はスポーツ外傷で多く見られ、膝への大きな外反力が加わって損傷します。損傷部位は大腿骨付着部付近での損傷が多く、単独損傷の場合は基本的には保存治療が選択されます。
受傷機転としては、コンタクトスポーツにおける膝の外側からの外力による接触性の損傷や、ジャンプの着地やストップ動作、ターン動作による非接触による損傷があります。また前十字靭帯損傷に合併することがあります。

重症度分類
Ⅰ度 圧痛やストレス時痛はあるが外反不安定性がない
Ⅱ度 伸展位では外反不安定性がなく、30度屈曲位では外反不安定性がある
Ⅲ度 伸展位、30度屈曲位で外反不安定性がある
治療について
MRI:内側側副靭帯損傷
内側側副靭帯損傷は基本的に保存療法でその治療予後は良好ですので多くの場合保存療法で治療します。テーピングや支柱付き装具を用いて治療を行い、徐々に可動域訓練・筋力トレーニングを行います。通常3~8週間でスポーツ復帰が可能です。しかし、内側側副靭帯の脛骨(すねの骨)の付着部からの引き抜き抜かれるような損傷(脛骨付着部引き抜き損傷)は頻度は少ないですがその損傷形態から不安定性が残りやすく、早期の修復術を検討する必要があります。