クリニカルフェロー研修後記|外傷再建センター
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国立がん研究センター東病院 形成外科
今村 嶺太
私は2024年4月から2025年3月まで新百合ヶ丘総合病院外傷再建センターで研修させていただきました。
形成外科専門医取得後、市中病院で一般形成外科診療を行う中で、四肢の外傷に詳しくなりたい、再建手術をもっと経験したいと考えるようになりました。また、「再建はできても再建前後の主科の治療はよくわからない」という医師になりたくなかったこと、神経血管はつなげても骨は…という状況を克服したかったことから、再建手術を含めた四肢外傷治療を学ぶことができる施設はないかインターネットで検索して、新百合ヶ丘総合病院外傷再建センターを知りました。
2日間見学した後に面接をしていただき、フェローとして採用していただけることとなりました。 医師9年目でしたが、整形外科診療の経験に乏しかったため、様々な専門書を参考に臨床に従事する日々でした。骨折や脱臼の初期対応や、開放骨折の治療方針など、特に最初の頃は経験しないとわからないことが多くありましたし、他の先生方と同じ画像を見ているはずなのに、見えているものが違う…ということはたくさんありました。それでも、優しいスタッフの先生方、熱意のあるフェローの先生方が多数在籍しており、相談できる体制が整っていたため、外傷診療におけるプランニングを少しずつ学んでいくことができました。
そして、オンコールの際に初療を行った症例を中心に数多くの手術を経験させていただきました。そこまでやるの?そこまでできるの?を肌でたくさん感じ、専門施設での専門家集団による治療の重要性を強く感じた1年間でした。
新百合ヶ丘総合病院での魅力は、お互いのプライベートも大切にしながらやる時はやる!というオンオフがあること、全国から集まった様々なバックグラウンドを持つ先生方と意見交換をできること、優秀なコメディカルの皆様が集まっていること、日々手術に集中できることだと思います。
1年間と短い期間でしたが貴重な機会をいただいたこと、充実した研修生活を送らせていただいたこと、心から感謝申し上げます。量より質とは言いますが、1万時間の法則からするとまだまだ修練が必要なので、私自身これからも日々精進します。
最後に、外傷治療をブラッシュアップしたい整形外科の先生はもちろん、四肢外傷治療を学びたいけど環境がなかなかないという形成外科の先生にも是非一度見学に行ってみることをお勧めします!