クリニカルフェロー研修後記|外傷再建センター

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【執筆者】
弘前大学整形外科
小野 浩弥 医師

2023年4月から2023年9月までの期間、新百合ヶ丘総合病院外傷再建センターでクリニカルフェローをさせていただきました小野浩弥と申します。私が研修させていただいた内容を少しですが紹介させていただきます。

私が新百合ヶ丘総合病院外傷再建センターで研修したいと思った理由は単純で、幅広い分野をなるべく深く学びたいという思いからでした。私は医師10年目(整形外科8年目)で研修をさせていただきましたが、日常臨床において自分が執刀できる症例が増えてきた一方で、知識不足や経験不足により手が出ない症例を数多く経験し、力不足を痛感しておりました。当時の自分が置かれている環境ではその障壁を乗り越えることは困難であると考えており、ちょうどその時期に弘前大学整形外科教室の石橋恭之教授から外傷再建センター長の松下隆先生にお話しいただいて、クリニカルフェローとしての生活を始めることができました。

いざ実際に研修してみると、マイクロサージェリー手術(重度四肢外傷における遊離皮弁、切断指に対する再接着)や寛骨臼・骨盤輪骨折手術、Ilizarov法による創外固定など、6ヶ月間という短い期間ではありましたが数多くの症例を経験・見学することができました。各分野のspecialistの先生方が在籍しているため、私自身ではとても治療方法や転帰が想像できない症例が劇的に改善していく様子を目の当たりにすることができ、感銘を受けました。また、全国各地から研修に来ているクリニカルフェローの先生方も経験豊富な先生方ばかりで、common diseaseの治療の際にも様々なアドバイスをいただくことができて大変勉強になりました。かなり濃密な時間を過ごすことができ、すでに日々の診療に役立てることが多く、貴重な財産となりました。

すでに外傷再建医として働いている人にとっても、これから外傷再建に携わりたいと考えている人にとっても、新百合ヶ丘総合病院での研修は非常に有意義なものになるかと思います。研修先で迷っている先生がおられましたら、新百合ヶ丘総合病院での研修を考えてみてはいかがでしょうか。外傷再建医としての考え方やon the job trainingによる経験はこれからの診療に必ず役立つと思います。