クリニカルフェロー研修後記|外傷再建センター

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【執筆者】
東京医科歯科大学整形外科
佐々木 礁 医師

私は2022年4月から2024年3月まで、新百合ヶ丘総合病院外傷再建センターで研修を受けました。まずは、これまでの2年間のご指導とこの貴重な機会をいただいたことに、心から感謝申し上げます。

私は東京医科歯科大学整形外科に所属しています。以前から外傷治療に興味がありましたが、専門的な研修の経験はありませんでした。外傷再建センター長の松下隆先生と、同門の先輩である王耀東先生とのご縁を通じて、医局からの留学という形で2年間クリニカルフェローとして研修させていただきました。

研修に参加してまず感じたのは、カンファレンスの症例の多彩さです。一般には珍しい重度四肢外傷や寛骨臼骨折から創外固定による変形矯正など、様々な治療段階の症例が混在するカンファレンスに圧倒されました。軟部組織治療の経過はマクロ写真で記録されており、後から見ても治療の流れを理解することができました。スタッフの先生方や他のフェローの先生方も外傷再建分野への情熱と深い知識を持ち、高いレベルの議論が繰り広げられていました。周囲のサポートを受けながら多くの症例を経験し、毎日のディスカッションを通じて、自然と外傷治療の流れに乗れるようになりました。

新百合ヶ丘外傷再建センターでは、整形外科と形成外科の専門知識を組み合わせた治療がおこなわれています。そのため、多くのサブスペシャリティを持つ医師たちが協力しています。トップレベルの外科医にリードされながら、整形外科の医師も植皮や皮弁手術を行い、形成外科の医師も骨接合や時には骨盤骨折の手術も担当しています。

さらに、研修環境としても充実しており、患者さんの数は年々増加しています。特に、重度四肢外傷や寛骨臼骨折、骨髄炎、変形癒合・偽関節など、一般には珍しい多様な難治症例の紹介が増えており、これらの治療がごく日常的に行われています。

新百合ヶ丘での研修を考えている先生方には、様々なバックグラウンドがあると思います。まだ足りない知識と経験を求める方、すでに豊富な経験を持ちながらもさらに成長したい方、どのような方でも新百合ヶ丘には貴重な経験と互いを高め合える仲間、そして私たちのステージを高めてくれる偉大な指導医がいます。指導いただいた知識も、フェロー同士でのディスカッションの経験も、私にとっては一生の財産です。

最後に付け加えると、新百合ヶ丘は外傷再建センターでありながら、人員の充実と助け合いにより、それぞれのワークライフバランスを尊重する環境が整っています。興味のある先生方は、ぜひ一度見学にいらしてはいかがでしょうか。