外傷再建センター

外傷再建センターについて

我々は本気で外傷再建治療をします
  • 新百合ヶ丘総合病院 外傷再建センター

  • 「外傷センター」と「外傷再建センター」の違い

    外傷患者の約47%が整形外傷患者であると言われており、救急外来・救命センターに搬送された外傷患者さんは、最も多い整形外傷治療において順調にいっても治療に数ヵ月を要します。

    社会復帰する患者さんがいる一方、術後感染などにより数年に及ぶ治療や機能障害をかかえて生きていくことになる患者さんもおられるのも事実です。こうした経過の分かれ目は、受傷初期から機能回復までの中長期的な「専門的外傷再建治療」にかかっています。

    社会復帰を想定して治療にあたれるか否か?
    この点が主に急性期に特化した一般の「外傷センター」との違いです。

外傷再建センターチーム外傷再建センターチーム

外傷再建治療の歯車が正確にかみ合っていること

外傷再建治療の歯車は正確にかみ合っていることが重要で、医師・看護師・リハビリスタッフ・患者さんの協力が不可欠です。単純に技術を寄せ集めただけでは治療を完遂できません。

全国的にも珍しく、単一グループで一貫して皮膚~骨まで幅広い外傷治療が行える強みを生かし「他院で感染した」「骨折が治らない」など外傷後の後遺症・難治性骨軟部感染症の治療も行っております。

当センターが掲載された取材記事について

対象となる症例

  1. 難治性骨折・感染性偽関節
  2. 変形治癒・関節外科
  3. 多発外傷・骨盤外傷
  4. 手・上肢外傷再建
    (当院は日本手外科学会の手外科認定研修施設です)
  5. 重度四肢開放骨折・組織損傷
  6. 切断四肢の再接着・再建治療

主な治療法

難治骨折に対する骨再生

医師紹介

  • 松下 隆医師

  • 外傷再建センター センター長

    松下 隆
    まつした たかし

    専門分野/得意な領域
    外傷、骨折、四肢骨再建、イリザロフ法、肘関節外科

骨再建・矯正術

緩徐延長 + 一期矯正術

  • 右下肢が外傷より40度ねじれ、1cm短く骨癒合してしまっている症例です。この障害を創外固定による骨再生で矯正治療しました。 矯正後は、左右対称に修正されているのがわかります。
  • 緩徐延長 + 一期矯正術
  • 緩徐延長 + 一期矯正術

医師紹介

  • 澤口 毅 医師

  • 外傷再建センター 骨盤・関節再建部長

    澤口 毅
    さわぐち たけし

    専門分野/得意な領域
    骨盤外傷関節外科

変形治癒・関節外科

変形治癒や外傷後の関節障害に関節外科の技術を駆使して対応しています。

【症例1】23歳 女性 電車にはねられ受傷 骨盤輪骨折

骨盤輪骨折
骨盤輪骨折他院で手術を受けた。受傷後1年半 変形治癒により跛行,坐位姿勢異常
骨盤輪骨折骨盤矯正骨切り術後
骨盤輪骨折術後4年 骨盤の良好な矯正が得られ,跛行と姿勢異常は消失した

【症例2】67歳,男性 転子下骨折偽関節に対するAngle plateによる矯正と内固定

  • 転子下骨折偽関節他院で転子下骨折の内固定を受けたが骨癒合が得られず、内固定が折損し歩けなくなった。また下肢も短縮している。
  • 転子下骨折偽関節再手術後
  • 転子下骨折偽関節1年後 骨癒合が得られ、歩行も正常に回復した。下肢の長さも元に戻った。

【症例3】54歳,男性 交通事故、大腿骨近位高度粉砕骨折

  • 転子下骨折偽関節大腿骨近位の高度粉砕骨折
  • 転子下骨折偽関節3DCT像
  • 転子下骨折偽関節人工関節置換後3ヶ月
    骨癒合が得られ、関節の痛みもなく歩行可能

重度外傷再建

医師紹介

多発外傷・骨盤骨折とは?

多発外傷とは、交通事故に代表される「高エネルギー」により全身に強い外力が加わって身体に複数箇所の外傷を生じた状態です。とりわけ、四肢だけでなく内臓を守る骨盤の骨折は腹部内に出血し生命に危険を及ぼす重症骨折です。

骨盤骨折にはこうした交通事故のように大きな外力外傷によって生じる骨盤の環状構造が破綻する骨盤輪骨折と、股関節の関節面を形成する寛骨臼が骨折する寛骨臼骨折と、主に成長期のスポーツ外傷によって生じる筋肉の付着部が裂離する裂離骨折があります(日本骨折治療学会より)。 前述の不安定型骨盤輪骨折は、出血性ショックを呈し、生命に危険が及ぶこともある重度骨盤外傷です。輸血はもちろんのこと、止血術やダメージコントロールで全身状態を安定化させた後に、体内固定金属材にて最終的な内固定をおこないます。その後、合併症がなければ、積極的なリハビリテーションが始まります。

重度四肢外傷再建術とは?

皮膚から筋・腱・骨格・神経・血管にいたる損傷を修復する治療を指します。

採取した自己組織を移植することで、損傷部位を直接補填する究極の治療技術です。なかでも、自己組織移植・組織補填治療は、外傷治療における感染率・治療成功率ともに大きく改善させました。

こうした外傷再建技術による効果は劇的であり、昔なら切断となる四肢外傷例でも温存できる可能性があります。

手・上肢外傷再建とは

当院の外傷再建センターには日本手外科学会認定の手外科専門医が4名常勤し(内1名は手外科指導医)、あらゆる手・上肢の外傷、外傷による合併症・後遺症の専門的治療が可能です。

1施設に在籍する手外科専門医の数が神奈川県内の医療機関の中で1位(2021年読売新聞調査より)であり、24時間緊急性のある手・上肢外傷患者さんの受け入れと専門的治療が可能となっています。

また当院は日本手外科学会認定の基幹研修施設であり、手外科医の教育・育成の役割を担っております。

手術実績

年度 上肢 下肢 骨盤 手の外科 その他 手術件数
2022年度 111 522 35 239 15 922
2021年度 129 349 64 97 9 648
2020年度 53 153 34 50 2 292
2022年度手術件数実績

取材記事掲載媒体および掲載日

  1. 千葉日報(2022/7/31)
  2. 秋田さきがけ(2022/8/1)/日本海新聞(2022/8/4)/神奈川新聞・静岡新聞(2022/8/9)/埼玉新聞(2022/8/10)/信濃毎日新聞・山陰中央新報・山梨日日新聞・福井新聞(2022/8/11)/高知新聞(2022/8/12)/北日本新聞(2022/8/16)/神戸新聞(2022/8/18)/山陽新聞(2022/8/20)/山形新聞(2022/8/22)/東京新聞(2022/8/24)/宮﨑日日新聞(2022/8/25)/北海道新聞(2022/8/26)
  3. 中部経済新聞(2022/9/1)/山京都新聞(2022/9/6)/山下野新聞(2022/9/10)
  4. 岩手日報(2022/10/14)
  5. 南日本新聞(2022/11/4)
  6. 岐阜新聞(2022/11/7)