リハビリテーション科コラム

五月病のセルフケア

リハビリテーション科 理学療法士 阿部 由菜

2022/6/18掲載

  • 五月病のセルフケア
  • 6月に入り梅雨も本格化してきました。こうもジメジメしていると、毎年の事とは言え、気持ちも滅入ってしまいますよね。もしかしたら、いわゆる五月病を引きずってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。このコラムでは、少しでも気持ちのリセットができるように心と身体のセルフケアについてお話します。

五月病とは

五月病とは、進学や就職など新しい環境に適応できなかったり、疲れてストレスが溜まったり…ということから起こるもので、誰にでも起こりえるものです。「なんだかダルい…。」「どうしてもやる気がでない…。」「最近食欲がわかない…。」といった気分の落ち込みや体の疲れなど、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。しかし、これらの症状からいつまでも抜け出せずに悪化してしまうと、適応障害やうつ病を引き起こしてしまいます。

一概には言えませんが、症状が出ているとき、身体は副交感神経(リラックスしている際に機能する神経)と交感神経(運動時に機能している神経)のバランスが崩れている状態にあります。そのためストレスの対処法としては、次のものが挙げられます。

  1. お気に入りの音楽を聴いたり、読書をしてみる。:副交感神経を高める
  2. 睡眠の質を確保する。:疲労回復、副交感神経が優位になり自律神経を整える
    (就寝前にスマホをいじらない、就寝する1~2時間前に入浴するなど)
  3. バランスのとれた食事を意識してみる。
    (ビタミン(B1、B2、B6、B12)、ミネラル(鉄、亜鉛)、タンパク質、DHA・EPAの摂取)
  4. 家族や友人と会話をしてみる。
  5. 個人の時間を大事にする。
  6. ウォーキングや軽いランニング、ストレッチなどで軽く身体を動かしてみる。
    (一般的に運動によって心拍数や血流が上昇し交感神経が高まりますが、運動後は緩やかに副交感神経が優位になっていきます。次の日に疲れが残らない程度の運動で、継続できることが大切です。)

リラックスできる運動

この時期、天気に関係なくできる運動としては、特に静的ストレッチがオススメです。
静的ストレッチとは、反動をつけないように筋をゆっくり伸ばし、その姿勢を数秒〜数分キープして行うストレッチ方法です。リラックス効果があり、筋肉の柔軟性を改善することができます。運動前に行うことで肉離れの予防や、遅発性筋痛(いわゆる筋肉痛)を予防できたりします。

過去のコラムバックナンバー(2022年5月号2021年1月号2020年11月号など)やリハビリテーション科のトレーニング動画(準備体操編頸部編がオススメです!)にも簡単にできる運動を掲載・発信していますので、是非参考にされてはいかがでしょうか。

無理に頑張ろうとせずに、出来るものからゆっくり心と身体の調子を整えていきましょう!