2020年11月号

皆さん、呼吸使えていますか?

リハビリテーション科 理学療法士 松永 美里

某少年漫画で話題の呼吸法ですが、リハビリテーションだけでなく日常生活においても重要な役割を果たしています。今回はそんな呼吸の重要性について簡単にお話しします。

腹式呼吸と胸式呼吸

  • 腹式呼吸と胸式呼吸
  • 空気の交換は肺で行われていますが、肺自体が自ら伸び縮みできるわけではなく、周囲の筋肉や骨の動きによって伸ばされたり縮められたりしています。私たちは無意識に呼吸を繰り返していますが、主に腹式呼吸と胸式呼吸の2つの呼吸法があります。胸式呼吸とは、肋間筋(肋骨と肋骨の間の筋肉)を使い、肋骨の上げ下げにて行われる呼吸法です。

腹式呼吸とは、胸腔と腹腔を仕切っている膜状の筋肉である横隔膜を使う呼吸法です。肋間筋や肋骨、横隔膜の動きにはどれも制限がありますが、肋間筋や肋骨のほうが動く範囲が少なく、横隔膜のほうが動く範囲が大きいです。横隔膜に引っ張られることで肺は広がりやすくなり、胸式呼吸よりも腹式呼吸のほうが肺活量も多いとされています。

腹式呼吸のメリット

腹式呼吸を意識することで身体には様々なことが起きます。自律神経を調節しリラックスできる(副交感神経を優位にする)、姿勢がよくなる、便通が改善しやすい、声量が増える、代謝が向上するなど、メリットがたくさんあります。

腹式呼吸の方法

ポイントは3つあります。準備として、片手は胸に、もう片手はお腹に置いておきましょう。

  1. 息を吸うときにお腹を膨らませる
  2. 息を吐くときにお腹をへこませる
  3. 息を吐く時間は息を吸う時間よりも2倍ほどの時間をかける

以上が腹式呼吸を行う際のポイントとなります。胸に置いた手よりも、お腹に置いた手が動けばうまく呼吸ができている証拠です。下っ腹を動かすイメージが大切です!

忙しない世の中ですが、そんなときこそ息抜きやリラックスが必要です。腹式呼吸を身に付けて、ゆったり過ごせる時間をつくってみませんか?