栄養管理科コラム
「ビタミンCの役割」
栄養管理科 管理栄養士 佐藤 直美
2022/5/31掲載
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皆さんは、最近なんとなくやる気が出ない、体がだるい、集中力が落ちたなど体の不調が出始めていませんか?
4月に新年度を迎え、大きな環境の変化に伴う心身の負担や、ゴールデンウィークが明けたこの時期にどっと現れる、いわゆる「5月病」の恐れが。。。
ストレスを溜めずに心と体もすっきりしませんか?
そんなときはビタミンCをとって体の調子を整えましょう!
そもそもビタミンCとは何か?
別名アスコルビン酸ともいいます。ビタミンCは皮膚や軟骨などの結合組織を構成するコラーゲンというたんぱく質の合成に不可欠なビタミンです。
ビタミンCの主な働き
- 抗ストレスホルモンを合成しストレスの抑制・自律神経安定効果
- 白血球の働きを高めて免疫力アップ
- コラーゲンを合成し、シミの原因となるメラニン色素を抑えて美肌効果
- 骨粗鬆症予防
- 鉄の吸収率を高め貧血予防・改善効果
- 抗酸化作用で生活習慣病予防
- 発がん性物質の形成抑制で抗ガン作用
ビタミンCは欠乏すると、毛細血管がもろくなり、歯茎や皮下から出血するといった「壊血病」という症状がおこります。大航海時代、長期間にわたる航海で新鮮な果物や野菜が摂取できなかったため多くの船員が壊血病でなくなりました。
過剰に摂取しても尿として体の外へ排出されるため、体に蓄積されることはありません。ビタミンCは多くの動物では体内で作り出すことができますが、ヒトの体内では合成できない物質になるため外部から継続的に摂取しなければなりません。不足すると疲れやすくなる、肌が荒れるなどの様々な体の不調が出現します。
またビタミンをとりすぎた場合の過剰症(過剰摂取によるもの)は認められていないため、こまめに摂取しましょう。
ビタミンCが含まれる食材
ビタミンCは、水に溶けやすく熱に弱い性質のため、ビタミンCを多く含む食材を調理するときは、なるべく水にさらさず、火を入れすぎないことがポイントです。3分以上ゆでるとビタミンCは半減します。じゃがいもやさつまいもなどはビタミンCがでんぷんで保護されているため、調理後もほとんど分解されずに残ります。購入後は時間が経つにつれておいしさも栄養分も減ってしまうため、手早く調理して食べましょう。
同じ野菜でも旬の時期のものは、ビタミンCがたっぷり含まれています。また捨ててしまいがちな野菜の外側の葉や芯の部分にはビタミンCが多く含まれています。
ストレスの軽減のために、ビタミンCと合わせて取ると良い栄養素は、ビタミンE・トリプトファン・ビタミンB群です。ビタミンEはアスパラやモロヘイヤなど、トリプトファンは豆腐や大豆製品など、ビタミンB群はナッツなどに含まれているので、摂り入れるようにしましょう。
【1日の摂取推奨量:30歳~49歳 男性・女性ともに 100mg】
- キャベツ1/4玉(250g):102mg
- 新玉ねぎ1/2玉(約100g): 8g
- ゴーヤ1/4本(約40g): 30mg
- いちご中5粒(約75g): 47mg
- さくらんぼ10粒(約60g): 6mg
【参考】大塚製薬