食道疾患|対象疾患|消化器内科(内視鏡内科・肝臓内科)

対象疾患

食道疾患(逆流性食道炎、食道がん)

食道疾患について

食道とは

食道は、咽頭と呼ばれる「のど」と「胃」を結ぶ管状の臓器で、口から入った飲み物や食べ物を胃まで運ぶ役割があります。食道全体の長さは約25 cmで、喉に近いほうから頚部食道、胸部食道、腹部食道の3つの部分に分けられます。

食道の病気

1 胃食道逆流症(逆流性食道炎)

胃食道逆流症(GERD)は胃酸が十二指腸の方に流れずに食道の方に流れてしまう病気です。過度の飲酒・肥満・食道裂孔ヘルニア・胃切除後・薬剤による影響などが原因となることがありますが、いずれも胃酸を含む胃内容物が食道へ逆流することで発症します。

自覚症状は胸焼け・胸の痛み・飲み込みづらさ・咳など多岐にわたるため、個々の患者さんにあった治療選択が必要です。症状や身体診察に加えて、内視鏡検査(胃カメラ)を用いて診断します。症状の強さや内視鏡所見の程度により、薬物(制酸剤・胃粘膜保護剤など)を用いて治療することが基本になります。

胃食道逆流症について治療を希望される方は、当院消化器内科にご相談ください。

2 食道がん

食道がんは、初期には自覚症状がないことがほとんどです。早期発見の機会としては、検診や人間ドックの際の、内視鏡検査(胃カメラ)や上部消化管造影検査(バリウム食道透視検査)があります。

がんが進行するにつれて、飲食時の胸の違和感、飲食物がつかえる感じ、体重減少、胸や背中の痛み、咳、声のかすれなどの症状が出ます。これらの症状は肺や心臓、のどなどの病気でもみられますが、食道も検査することが大切です。

食道がんの発生する主な要因は、喫煙と飲酒です。特に日本人に多い扁平上皮がんは、喫煙と飲酒との強い関連があります。熱いものを飲んだり食べたりすることが、食道がんができる危険性を高めるという報告もあります。

食道がんについては、現在、指針として定められている検診はありません。気になる症状がある場合には当院消化器内科まで、早期に受診、相談することをお勧めします。当科では適応病変であれば、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)での治療を行っています。