「2022年出生児を対象としたハイリスク新生児医療全国調査」に対するご協力のお願い|小児科

このたび、日本小児科学会新生児委員会による「2022年出生児を対象としたハイリスク新生児医療全国調査」を、日本小児科学会倫理委員会の倫理審査ならびに理事会の承認のもと、倫理指針および法令を遵守して実施致します。本研究は診療録等をもとにした後方視的検討であることから患者および保護者から個別に同意を頂かずに、通知・公開を行うことで実施することが国の指針によって認められています。

本研究を実施することによる、患者および保護者への新たな負担は一切ありません。また患者および保護者の個人情報およびプライバシーの保護については最善を尽くします。本研究への協力を望まれない患者および保護者は、その旨を診療を受けた施設までお申し出くださいますよう、お願い致します。

1. 対象となる方

2022年1月1日から2022年12月31日に出生体重1,000g未満で出生した新生児(超低出生体重児)ならびに在胎28週未満で出生した新生児(超早産児)

2. 研究課題名

「2022年出生児を対象としたハイリスク新生児医療全国調査」
(日本小児科学会倫理委員会承認、令和5年11月14日付、受付番号:66)

3. 研究実施期間

2024年12月末日まで

4. 本研究の意義、目的、方法

日本小児科学会新生児委員会では、1990年から5年ごとに超低出生体重児(出生体重1,000g未満)の死亡率の調査を実施してきました。これまでの調査では、いずれも日本で出生した超低出生体重児の90%以上をカバーしており、本研究の結果は日本の周産期医療の水準を示す重要な指標として利用されています。また、超低出生体重児の分娩が予想される際に、ご家族への情報提供にも利用されています。これまでの調査の結果をみると、わが国の超低出生体重児の死亡率は調査のたびに改善しており、国際的にみても極めて治療成績が良いことが分かっています。

本研究の目的は、2022年に出生した超低出生体重児ならびに超早産児の死亡率を明らかにするとともに、過去の調査と比較してどのように変化しているのかを明らかにすること、さらには死亡率に影響を及ぼす要因を検討することです。またわが国の周産期医療の特徴として、超低出生体重児・超早産児の死亡率は諸外国と比べて著しく低い一方、未熟児網膜症や慢性肺疾患といった、早産児特有の合併症の頻度が高いことが分かっています。本研究ではこれらの合併症の発生頻度についても調査を行い、わが国における現状を把握、諸外国との国際比較を行う際のデータとして使用するとともに、今後のわが国の周産期医療の更なる発展につなげることを目的としています。

またわが国では2017年に日本母乳バンク協会が設立され、早産児に対するドナーミルクの使用が徐々に普及しつつあります。本研究ではドナーミルクをはじめとする早産児に対する栄養管理が超低出生体重児・超早産児の予後にどのような影響を及ぼしているのか検討することも目的としています。

5. 本研究の方法

  1. 研究実施施設
    以下の1)-3)のいずれかに当てはまる周産期医療施設
    1) 病床数100以上の病院で産科・小児科双方を有する病院
    2) 小児医療施設(こども病院など)
    3) 母子周産期医療センター
  2. 研究実施方法
    下記に示す項目について、対象の患者の診療録よりデータを抽出させて頂きます。
    出生体重、在胎期間、性別、新生児搬送・母体搬送の有無、分娩形式、母体へのステロイド投与の有無、臨床的絨毛膜羊膜炎の有無、妊娠高血圧症候群の有無、児が入院した日齢、NICU入院中の栄養管理(ドナーミルク使用の有無、静脈栄養の有無、退院時の栄養法包など)、児の合併症(壊死性腸炎、新生児限局性消化管穿孔、慢性肺疾患、未熟児網膜症、嚢胞性脳室周囲白質軟化症、脳室内出血)、児の転帰(自宅退院、転院、死亡)、主たる死亡原因、退院時の体格、在宅医療の有無
    (氏名、生年月日、住所、電話番号など個人を特定可能な情報は含まれません。)

6. 協力をお願いする内容

上記5-②に示す項目について、研究実施施設の担当者によりデータベースに登録して頂きます。

7. プライバシーの保護について

本研究では、氏名、カルテ番号、生年月日、住所、電話番号などのように、個人を特定可能な情報は抽出の対象に含まれておりません。調査データは日本小児科学会事務局において原則5年間保管させて頂きます。これを延長する場合には、改めて日本小児科学会倫理委員会での承認を必要とします。

8. 研究資金

本研究の資金は「こども家庭科学研究費補助金等成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業 ドナーミルクを必要とする児に普及するために必要なエビデンスを構築するための研究」(研究代表者:水野克己)により賄われます。

9. 結果の公表について

本研究の結果は日本小児科学会新生児委員会で解析を行い、委員会報告として日本小児科学会雑誌および学会ホームページならびにこども家庭科学研究費報告書として公開されるほか、日本小児科学会学術集会での学会発表、国内外の学術論文誌への投稿が予定されています。

10. 本研究に関するお問い合わせ

本研究に関する質問や確認のご依頼は、下記までご連絡ください。
また、本研究の対象となる方やその保護者より、本研究への情報提供の停止を求める旨のお申し出があった場合には適切な措置を行いますので、その場合は診療のために受診された施設へのご連絡をお願い致します。

研究者および連絡先
分担研究者 連絡先
新百合ヶ丘総合病院
小児科 下郷 幸子
新百合ヶ丘総合病院小児科
〒215-0026 神奈川県川崎市麻生区古沢都古255
TEL: 044-322-9991 FAX: 044-322-8688
研究代表者 連絡先
日本小児科学会
新生児委員会
委員長 飛彈 麻里子
日本小児科学会事務局
〒112-0004 文京区後楽1-1-5
水道橋外堀通りビル4階
TEL:03-3818-0091 FAX:03-3816-6036