その他の疾患|対象疾患|脳神経外科
その他の疾患とは
主な症状
正常圧水頭症
正常圧水頭症という疾患は、最近ちょっとぼけたりしたのではと周囲の方からいわれ、また尿失禁をするようになったり、歩き方が不安定になってきたといった症状で発症することが多いといわれています。
これは頭蓋内の脳や脊髄の周囲を循環している髄液が何らかの原因でうまく吸収できず、頭蓋内に貯まることで脳室(脳の中心部分にあるお部屋)部分が大きくなっている状態です。 そのため柔らかい脳組織がたまった髄液により圧迫され脳の血流が悪くなり上記のような症状がみられるといわれています。 頭部CTやMRIで脳室の拡大がみられていることに加え、脳脊髄圧が正常範囲内であることがこの疾患の特徴です。 頭部打撲後の「慢性硬膜下血腫」とならんで手術で改善が期待できる認知症のひとつです。
当院では正常圧水頭症が疑われた患者には「特発性正常圧水頭症診療ガイドライン」にしたがって検査を行います(腰椎穿刺といって腰から注射をして髄液の圧をはかった後、髄液を30-40cc抜きます)。 その後の患者さんの様子を慎重に観察し、症状の改善が見られた場合にはシャント術(脳室と腹腔(腸が収まっている空間)の間、または腰部と腹腔の間に調整可能なバルブと細いシリコン性の管を皮膚の下を通してつなぐ)を行っております。 これによって吸収されずに貯まり気味であった髄液がおなかのなかで吸収され、脳全体の圧迫が解除されると症状が改善されます。