看護師コラム
手足口病について
感染管理認定看護師 砂辺 彩
掲載日:2024年8月3日
手足口病の患者が急増!
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全国的に手足口病が流行し、川崎市でも7月上旬に流行発生警報が発令されていました。
例年夏季に流行のピークを迎えるため、今後も引き続き注意が必要になります。
手足口病とはどんな病気?
口の中や手足などに水疱性の発疹がでるウイルス性の感染症です。代表的な原因のウイルスはコクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどで、複数の種類のウイルスがあるため、何度もかかる可能性があります。主に乳幼児を中心に夏に流行しますが、大人にも感染することもあるため注意が必要です。
症状は?
感染してから約3~5日で、口の中や手のひら、足の裏などに水疱性の発疹が現れ、発熱がみられることもあります。まれに髄膜炎や脳炎、心筋炎などの合併症を起こすことがあります。
感染経路
- 飛沫感染(咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことによって感染)
- 接触感染(破けた水疱の中や便に排泄されたウイルスが、手を介して口や鼻、目の粘膜から感染する場合)
- 経口感染(接触感染同様)
治療とケア
特別な治療法はなく、症状に応じた治療になります。基本的には軽い症状の病気ですが、高熱がでる、発熱が2日以上続く、嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけに答えない、呼吸が速くて息が苦しそう、水分が取れずにおしっこがでない、ぐったりしているなどの症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
口腔内に痛みが出ることがあるので、おかゆや、柔らかく茹でたうどん、雑炊など、刺激が少なく飲み込みやすいもを食べましょう。
予防するには?
手足口病の原因となるウイルスはノンエンベロープウイルスのため、アルコールが効きにくいと言われているため、流水とせっけんによる手洗い(特にトイレやおむつ交換後、食事前)をしっかり行いましょう。また、タオルの共用はやめましょう。
症状がなくてもウイルスは出ています
便中へのウイルスの排泄は、症状が消失しても2~4週間にわたり排泄されます。また、感染しても発病しないままウイルスを排泄していることがありますので、日頃からしっかりと手洗いをすることが大切です。
登園・登校について
学校保健安全法では、手足口病の出席停止を定めていません。症状が治まった後も2~4週間はウイルスが便から排泄されるため、周囲への感染の可能性がありますが、登園・登校については本人の状態や周囲の流行状況などを考慮して判断されます。学校医やかかりつけ医にご相談ください。