掲載日:2024年8月19日
夏風邪とは
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夏風邪とは、夏場にこどもの間で流行するウイルス感染症で、その代表は「手足口病」「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜熱(プール熱)」です。
夏を楽しく元気に過ごすために、また急な風邪症状に慌てないために、夏風邪の症状や予防法、対処法についてお伝えいたします。
手足口病
症状
手、足、口の中に発疹ができます。発疹は米粒大~大豆大で、手のひらや足の裏に出るのが特徴的です。腕や足、おしり、口の周りにも広がることがあります。
熱は出る場合も出ない場合もありますが、あまり高熱になりません。熱でぐったりすることは少ないですが、口の中やノドにできた発疹の痛みのために飲んだり食べたりできず、徐々に元気がなくなってしまう場合があります。 1週間程度で自然に治ります。
原因
エンテロウイルスが原因です。ウイルスを含んだ粒子を吸い込んだり(飛沫感染)、手についたウイルスが口から入ったり(接触感染・経口感染)することで感染します。
潜伏期間
3~6日
エンテロウイルスには様々な種類があり、一部のウイルスでは高い熱が続いたり、子どもだけでなく大人にも感染して重い症状を起こすこともあります。
ヘルパンギーナ
症状
ノド(口蓋弓)に水疱が数個~十数個できるのが特徴です。突然の高熱で始まり、38~40℃が1~3日ほど続き、元気がなくなりぐったりします。ノドの痛みのために飲んだり食べたりできなくなったり、よだれが多くなったりします。数日たつと自然に治ってきます。
原因
エンテロウイルスが原因です。ウイルスを含んだ粒子を吸い込んだり(飛沫感染)、手についたウイルスが口から入ったり(接触感染・経口感染)することで感染します。
潜伏期間
3~6日
咽頭結膜熱(プール熱)
症状
ノドの炎症、結膜炎、高熱の3症状が特徴です。頭痛やノドの痛み、食欲不振、全身倦怠感を伴います。ノドが赤く腫れ、白苔がつくことがあります。目の症状としては、目が赤くなる、目が痛い、まぶしい、涙や目やにが増える、などがあります。下痢などお腹の症状が見られることもあります。症状は3~5日続き、その後、自然に治ります。
原因
アデノウイルスが原因です。アデノウイルスは一年中感染しますが、「咽頭結膜熱(プール熱)」は夏と冬に流行します。昔は、夏にプールで感染が広がることが多かったため「プール熱」と呼ばれていますが、今はしっかり消毒されているためプールで感染することはまれです。ウイルスの入った飛沫を吸い込んだり(飛沫感染)、ウイルスの付いた手を介して口から入って感染します(接触感染、経口感染)。
潜伏期間
5~7日
新生児期や乳児期早期には重症化する場合があります。小さなきょうだいがいる場合にはご家庭内での感染予防をしっかり行いましょう。
「咽頭結膜熱」は学校保健法の学校伝染病第二種に指定されていて、症状が無くなってから2日間は出席停止です。また、同じアデノウイルスによる「流行性角結膜炎」は学校伝染病第三種に指定されていて、医師により伝染の恐れがないと認められるまで出席停止です。
夏風邪にかかってしまったら
多くの場合は自然に治ります。水分と栄養を取って、しっかり休みましょう。ノドが痛くて食べられない場合も、酸味のないジュースやゼリー、アイスなどは比較的食べやすいです。酸っぱいものや味の濃いものは避けて、痛みを感じにくい物を食べてください。
熱が高い場合には解熱鎮痛薬を使用します。水分や食事がとれない場合には入院して点滴補液をする場合もあります。小さなお子さんほど重症になりやすいですので、ご心配でしたら早めに受診してください。
感染しない、させないためには
夏風邪ウイルスに感染した場合、口や鼻からは1週間程度、便の中へは1か月ほどウイルスが出てきます。
手洗いうがいを徹底する
ウイルスは鼻水や咳の飛沫の中や、便の中にいます。外出からの帰宅後、食事の前、トイレやオムツ交換の後、鼻をかんだ後などは特にしっかり手を洗いましょう。
エンテロウイルスもアデノウイルスもアルコール消毒が効きにくいウイルスです。アルコールでの手指消毒ではなく、しっかり洗い流すことが重要です。
タオルや食器、おもちゃを共有しない
家庭内では、タオルや食器からウイルスが感染する場合がありますので、共有しないようにしましょう。また、小さなお子さんではおもちゃを介してウイルスが広がる場合もありますので、気を付けましょう。
熱性けいれんにも要注意
熱性けいれんは夏場と冬場に多くなります。冬の熱性けいれんはインフルエンザによるものですが、夏の熱性けいれんはエンテロウイルスが原因のことが多いです。
熱の出始めから1~2日の間は、熱性けいれんが起こる可能性があります。
けいれん時には慌てず、お子さんを安全な場所に寝かせて、顔や体を横に向けてください。衣服やベルトなど体を締め付けるものがあれば緩めましょう。5分以上けいれんが止まらない場合には、救急車を呼んで最寄りの医療機関に受診してください。