胆道疾患|対象疾患|消化器内科(内視鏡内科・肝臓内科)

対象疾患

胆道疾患(胆石、総胆管結石、胆のう炎、胆管炎、各種胆道系腫よう疾患『ポリープ、がん等』)

胆道疾患(胆嚢・胆管)について

胆嚢・胆管とは

胆道は、肝臓でつくられる胆汁を小腸に送る働きをしており、胆管・胆嚢・十二指腸乳頭という3つの部分に分けられます。どこかで胆汁の流れが妨げられ、胆汁の鬱滞が続くと黄疸がみられるようになります。

胆道(胆嚢・胆管)は腹部の上奥側にあります。結石や炎症のように強い症状を急に引き起こす事もありますが、症状が出にくい腫瘍の場合には、病状がすすんだ状態で発見される傾向があり、その診断・治療には高い技術を要します。

当院では、無症状でも人間ドックで異常を指摘された患者さんや突然の腹痛で救急搬送された患者さんまで毎日多数の患者さんの診療を行っています。患者さんの病状に応じて、緊急検査や処置も積極的に行い、必要時には消化器外科とも連携をとり、患者さんにとって最善の加療を行うように心掛けています。

また、胆膵領域の第一人者である、埼玉医科大学国際医療センター消化器内視鏡科良沢昭銘教授、帝京大学溝口病院消化器内科准教授土井晋平准教授が毎月、当院で検査・治療を行なっています。

胆道(胆嚢・胆管)の病気胆道(胆嚢・胆管)の病気の種類

胆道(胆嚢・胆管)の病気

どこかで胆汁の流れが妨げられると痛みや炎症を引き起こし、胆汁の鬱滞が続くと黄疸がみられるようになります。

1 胆道結石(胆石、総胆管結石)、胆嚢炎、胆管炎

胆嚢や胆管には結石ができることが知られています。多くは胆嚢内にできますが、総胆管や肝内胆管にできる事もあります。胆嚢に結石があっても無症状である事も多く、症状が出るのは約20%といわれています。無症状であっても年1~2回の腹部超音波検査での経過観察が望ましいですが、積極的な治療の対象にはなりません。胆嚢結石が胆嚢と総胆管の交通を妨害し胆汁が流れなくなると、右季肋部痛を引き起こします。胆嚢内に細菌が感染すると急性胆嚢炎となり、高熱・右季肋部痛が持続する事も多く、早期の治療が必要になります。

急性胆嚢炎では、絶食・抗生剤投与により改善しない場合には、経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)や内視鏡的胆囊ドレナージ(ERGBD)、場合により緊急手術を行う事もあります。

胆管に結石が存在する総胆管結石は無症状のこともありますが、多くの場合が腹痛や黄疸などの症状を伴います。感染を起こすと急性胆管炎となり、発熱も伴います。細菌が血液の中に侵入する敗血症という状態になりやすく、悪化すると意識障害やショックを伴うことがあります。そのため、すみやかに内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)を行い、胆管ドレナージや胆管結石除去を行う必要があります。

2 胆嚢腫瘍(胆嚢ポリープ、胆嚢がん)、胆管がん

胆嚢の内側に隆起した病変を胆嚢ポリープと言います。腹部超音波検査で見つかることが多く良性のものが大半を占めますが、中には悪性のもの(=胆嚢がん)が存在しており、定期的に経過観察していきます。特に大きさが1cm以上ある場合、経時的に増大する場合には注意が必要で、造影CTや超音波内視鏡内視鏡検査(EUS)などでより詳細な検査を行い、胆嚢摘出術を行うことがあります。