鼠径ヘルニア｜外科・消化器外科

鼠径（そけい）ヘルニアとは

鼠径（そけい）ヘルニアとは、「脱腸」ともいわれる疾患です。足の付け根の部分（『鼠径』といいます）の筋膜が脆弱化することで、小腸などの腹腔内臓器が脱出します。具体的な症状としては、腹圧をかけたとき、いきんだとき、笑ったとき、などに鼠径部の膨隆や痛みをきたすのが一般的です。 通常であれば手で簡単に戻すことが可能です。しかし脱出したまま戻らなくなってしまうことがあり（『嵌頓（かんとん）』といいます）、緊急手術が必要になります。

腹壁瘢痕ヘルニア

腹壁瘢痕ヘルニアとは、過去に手術を受けたことがある方に起こる疾患で、お腹の切開創瘢痕が膨隆するものです。筋膜の離開があるため、腸管などの腹腔内臓器が脱出します。前述の鼠径ヘルニアと同様に、通常であれば手で簡単に戻すことができますが、嵌頓してしまった場合には緊急手術が必要になります。

いずれの疾患も外科手術以外に治療方法がありません。メッシュ（人工的に作られた網）を用いて脆弱化した筋膜の補強を行うことが一般的です。脱腸帯のようなベルトによる圧迫で治ることはありません。

当院では腹腔鏡下手術を積極的に行っています。1cm程度の傷が数か所出来るのみで治療ができるのが特徴です。傷が小さいため，術後の痛みが軽いことが最大の利点です。
鼠径ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニアともに入院期間は2，3泊程度と短期間です。