掲載日:2025年9月5日
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痛風は、尿酸代謝異常の結果、尿酸が結晶化して関節炎を引き起こし、足の親指の付け根や踵に痛みや腫れが起きた病態です。男性に多く発症し、適切に治療をしないと様々な合併症が起こります。
高尿酸血症と痛風はなぜ起こるのか?
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痛風は核酸代謝異常の一つであり、尿酸代謝異常の結果高尿酸血症となり、尿酸が関節内で結晶化し関節炎が起きる病態です。男性に多く発症し、突然、足の親指の付け根(母趾MTP関節)に激しい痛みが生じる急性痛風発作で始まることが多いですが、足首、膝、手足の関節などにも起こりえます。
痛みは数時間以内にピークに達し、耐えられないほどの激痛となることがあります。関節は赤く腫れ上がり、熱を持ち、触ると激しく痛みます。「痛風」という病名は、「風が吹いても痛い」と言われるほどの激しい痛みが起こることに由来しています。
発作は数日から1週間程度で自然に治まることが多いですが、繰り返すことがあります。適切な治療を行わないと、痛風発作を繰り返して、関節の変形・機能障害、尿路結石、腎不全、動脈硬化などが起こります。皮下や関節周囲に尿酸塩の塊である痛風結節(けっせつ)ができることがあります。
血中尿酸値が7mg/dL以上の場合に高尿酸血症と診断されますが、痛風の患者では血中尿酸値が8mg/dL以上になっていることが多いです。
痛風の主な原因とは?
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痛風の主な原因としては、
- 肉類やアルコール(特にビール)などプリン体の多い食事の過剰摂取
- 体質や遺伝的な要因、激しい運動、肥満、一部の薬剤などが原因となる体内での尿酸産生過剰
- 腎機能の低下、脱水、一部の薬剤などが原因となる腎臓での尿酸排泄低下
痛風の予防と治療には、まず、プリン体を控える食事療法、尿酸の排泄を促進するための十分な水分摂取、適度な運動、肥満の是正などの生活習慣の改善を行うことが重要です。血中尿酸値が8mg/dL以上が続く場合は、薬物療法(尿酸生成抑制薬、尿酸排泄促進薬)が必要となることが多いです。
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