広報紙 vol.62しんゆりニュースレター

2023/5/1掲載

緩和ケア内科特集

緩和ケア内科特集|広報紙

  • 新百合ヶ丘総合病院
    緩和ケア内科 部長
    なかにし ひでよ
    中西 英世 医師
  • 【専門医・指導医】
    日本麻酔科学会指導医・認定医/日本専門医機構麻酔科専門医/日本緩和医療学会認定医/日本心理研修センター公認心理師
  • 当院の緩和ケア内科は、2020年6月、緩和ケア病棟開棟と同時に設立されました。緩和ケア内科とは、患者さんのがんによる身体のつらさ、例えば、痛みやだるさ、息苦しさ、吐き気などだけではなく、気持ちのつらさや不安もやわらげ、より良い生活を送るための支援を行う診療科です。

    がんの診断を受けてから、治療を受けて幸いにも治癒される方、がんが増大して治療を重ねていく方、いろいろな方がいらっしゃいます。その人らしさを妨げるすべての困りごとが緩和ケアの対象となります。「がんかもしれない」と告げられた時、がんの告知直後、治療の選択、そして治療中・治療後も含めて、患者さんの必要に応じて、必要な時期に緩和ケアを提供することを目標としています。

    2022年4月1日から新百合ヶ丘総合病院は、地域がん診療連携拠点病院の指定を受けました。緩和ケア内科では、麻酔科として緩和ケアチームで活動していた私が、疼痛管理を中心とした診療を行っていましたが、昨年春より消化器内科医の冬木晶子先生をお迎えして2人体制となり、よりきめ細かい緩和ケアを提供できるようになりました。

  • 「早期から苦痛をとって良い生活を過ごす」という目標のもとに、緩和ケア内科と緩和ケア病棟、緩和ケアチームが中心となり、より良い医療とケアの提供を目指しています。現在は、主に当院で治療を受けている患者さんへの外来診療となっておりますが、今後はより幅広く患者さんを受け入れられるように体制を整えていく予定です。

    日本人の2人に1人ががんに罹る時代といわれ、治療法も日々研究され進歩しています。がんの診断を受けた大半の方が5年、10年と病気と共に過ごされています。緩和ケア内科では、様々な問題に悩む患者さんとそのご家族に対し、早い段階で多方面からサポートすることで、その人らしい生活と安心して療養できる環境を整えています。そのために、地域の医療機関と「顔の見える関係」を築くことも心掛けております。お困りごとがありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

【目次】

緩和ケア外来について

緩和ケア外来について
  • 緩和ケア外来について
  • 当院へ通院中のがん患者さんおよびご家族の方を対象に、通院しながら緩和ケアを受けることのできる専門外来を設けております。主治医と連携をとりながら、痛みなどのつらい症状、不安や気持ちの落ち込み、療養上の気掛かりなどへの対応を行っております。

緩和ケア内科と緩和ケアチームの医師、看護師、薬剤師、臨床心理士、社会福祉士が連携して、患者さんおよびご家族のケアにあたります。がんの治療と並行して緩和ケアを受けることも可能です。まずは主治医にご相談ください。また、専門外来は診療時間を十分に確保するため、完全予約制となっております。

緩和ケア病棟への入院を希望される患者さんには、事前に入院相談外来を受診いただいております。現在通院中の、あるいは訪問診療を受けている医療機関からの紹介状が必要となります。主治医の先生とご相談の上、当院へお問い合わせください。

受診のながれ

①緩和ケア外来

当院に通院されている方が対象となります。主治医と相談後、事前にご予約ください。

②入院相談外来

当院通院中の方は主治医の依頼文を、他院通院中の方は主治医の先生からの紹介状をご用意の上、事前にご予約ください。

外来の予約についてはこちらをご覧ください。

入院までのながれ

入院までのながれ

緩和ケア病棟の紹介

  • 緩和ケア病棟の紹介緩和ケア病棟スタッフステーション
  • 「緩和ケア病棟」は症状を緩和するための医療を提供する場です。治ることを目標とした治療(手術、薬物療法、放射線治療など)ではなく、がんの進行などに伴う身体や心のつらさに対する専門的な緩和ケアを受ける病棟です。

    緩和ケア病棟のご案内

  • 緩和ケア病棟の紹介緩和ケア病棟スタッフステーション
  • 当院の緩和ケア病棟は病床数21床(個室9床、4人室3部屋)です。共用スペースとしてデイルームやキッチン・浴室・家族室などのご用意があります。

病棟案内

また病棟では暮らしにほんのり彩りを添えるお手伝いができたら、と考え、日々のレクリエーション、四季が感じられるようなイベントを大切にしています。

イベント

緩和ケアチーム

緩和ケアチーム

緩和ケアチームには医師(内科・外科・精神科)、看護師、薬剤師、管理栄養士、リハビリテーションスタッフ、臨床心理士、公認心理師、社会福祉士などの専門家が集まっており、幅広い支援を行っています。がん患者さんのつらさを和らげるため、患者さんが抱える不安や心配事にも寄り添い、心の負担を軽減するための支援を行うとともに、適切な緩和医療を提案してまいります。具体的には身体や気持ちのつらさを緩和するための薬物療法やカウンセリング、生活の相談、リハビリテーション、栄養や食事のアドバイスなどを行っています。

緩和ケアチームへのご相談は主治医にお申し出ください。主治医と緩和ケアチームが連携して、より快適な療養生活を送っていただけるよう、全力でサポートいたします。

当院の緩和ケアについて

緩和ケア内科医師紹介

①専門分野/得意な領域
②専門医・指導医・資格・公職等

  1. 中西 英世(緩和ケア内科部長)
    ①麻酔科/緩和ケア・疼痛管理 ②日本麻酔科学会指導医・認定医/日本専門医機構麻酔科専門医/日本緩和医療学会認定医/日本心理研修センター公認心理師
  2. 冬木 晶子(緩和ケア内科医長)
    ①消化器内科/緩和ケア ②日本内科学会総合内科専門医/日本肝臓学会専門医/日本消化器病学会専門医/日本消化器内視鏡学会専門医/医学博士