掲載日:2024年10月10日
膠原病?リウマチ?どういう病気?に引き続き、今回は【後編】をお届けします。
関節リウマチの症状として、最も多い症状は
- 朝、手がこわばる
- 関節が腫れる、痛い
といった症状が挙げられます。最も症状がよく認めらるのは、手指の関節になります。もちろん、手指以外にも足趾(足のゆび)がメインだったりするなどの例外はあるのですが、発症数年の間には95%以上の患者さんが手指の症状を訴えるといわれています。また、関節リウマチは左右対称という記載を時に目にしますが、私はあまり参考にしていません。左右対称でない例はとても多いと思います。それより、しばしば腫れたり、痛んだりする関節が変わることのほうが重要だと思います。
手指の痛みで、関節リウマチを心配されて受診される方の中には、変形性関節症(へバーデン結節、ブシャール結節、母指CM関節症など)の方も多く認めらます。
関節リウマチと変形性関節症を区別するにあたっては、私は痛い関節の場所と触診(触ったときの所見)を重視しています。
関節リウマチと変形性関節症の罹患関節は、下の図のようになります。
手指の第一関節=DIP関節(一番先の方の関節)には、関節リウマチはほとんど認めず、変形性関節症(へバーデン結節といいます)が認められます。 手指の第二関節=PIP関節(指の先から2番目の関節)は、関節リウマチの関節炎が非常によく認められる関節になりますが、変形性関節症(ブシャール結節といいます)も、時に認められます。関節リウマチと変形性関節症の両方が認められることもありますので、注意深い診察が必要です。
第三関節=MCP関節と手関節(手首)には変形性関節症は認めず、関節リウマチの関節炎の好発部位になります。
触診についてですが、関節リウマチの腫脹(腫れ)は柔らかいのですが、変形性関節症の腫れはでっぱった骨を触るように固い、という特徴があります。
このようなことに注意しながら関節リウマチの診察を進めています。