公開日:2026-10-16
皮膚が乾燥するとどんなことがおこるのでしょうか?
秋から冬にかけて空気が乾燥してきますし、気温が下がり、汗もあまりかかなくなりますので、「肌がカサカサする」「粉をふく」「かゆくてつい掻いてしまう」といった皮膚のトラブルが増えてきます。特に、もともと乾燥肌(乾皮症)の方や高齢の方では、乾燥性湿疹を起こしやすくなります。
皮膚には、外からの刺激や異物の侵入を防ぎ、体内の水分が逃げるのを防ぐ「バリア機能」があります。皮膚の一番外側にある角層には、水分を保つ成分(天然保湿因子)や、角質細胞間脂質(セラミドなど)が含まれています。さらに、皮脂腺から分泌される皮脂などでできた皮脂膜も皮膚表面を覆っています。これらが皮膚からの水分の蒸発を防ぎ、皮膚のバリア機能を支えています。
しかし、空気が乾燥すると、バリア機能が正常な方でも水分が失われやすくなり、乾燥肌になることがあります。さらに、高齢の方やドライスキンの体質の方では、皮膚の脂質や天然保湿因子が少なく、皮膚バリアが弱くなりがちです。そのような方では、ますます乾燥肌になりやすいのです。乾燥肌になると、わずかな刺激でもかゆみを感じやすくなり、炎症を起こしやすくなります。
乾燥肌は、初めは皮膚のカサつきやつっぱり感だけですが、次第に赤みやかゆみが出てきて、乾燥性湿疹(皮脂欠乏性皮膚炎)になります。さらに掻くことで湿疹が悪化します。
こういった悪循環に陥ると乾燥性湿疹がこじれることになります。
皮膚のバリア機能を保ち、乾燥肌、乾燥性湿疹を防ぐにはどうしたらよいでしょうか?
予防の基本は、皮膚を洗いすぎないことと、適切に保湿することです。入浴時には、熱すぎるお湯を避け、石鹸やボディソープを使ってゴシゴシ洗いすぎないようにしましょう。汗や汚れがたまりやすい部分には石鹸などを使い、それ以外の乾燥しやすい部分は、ぬるめのお湯で優しく洗うだけでも十分です。
そして、入浴後はできるだけ早めに保湿剤を塗りましょう。肌が水分で潤っているうちに保湿することがポイントです。保湿剤には、ワセリン、ヘパリン類似物質などさまざまな種類がありますので、季節や皮膚の状態に合わせて選びます。顔だけでなく、腕、脚、腰など乾燥しやすい部分にも忘れずに塗りましょう。
すでに赤みや強いかゆみがある場合は、単なる乾燥ではなく「乾燥性湿疹」になっている可能性があります。この場合、保湿だけでは十分でなく、炎症を抑える塗り薬などによる治療が必要になることがあります。かゆみが強いときには、掻かないようにする工夫も重要です。
乾燥する季節こそ、毎日のこまめなスキンケアが皮膚の健康を守ります。これから冬に向けて乾燥する季節だからと放置せず、カサつきやかゆみを感じたら早めに保湿など、乾燥肌対策を始めましょう。
市販の保湿で改善しない場合や、かゆみで眠れない場合は受診をおすすめします。