掲載日:2025年5月20日
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リハビリテーション科では、病気や怪我、加齢や先天的要因などにより受けた障がいに対し、医師による治療やリハビリテーションスタッフによる機能練習を行っています。失った機能の回復を促しつつ残された能力を最大限に引き出し、家庭復帰や社会復帰、QOL(Quality of Life:生活の質)の向上などを目標に支援しています。その1つに装具療法があります。
装具療法の目的
変形の予防・矯正、病的組織の保護、失われた機能の代償または補助があります。近年では、脳卒中片麻痺患者に対する下肢装具の使用は「脳卒中治療ガイドライン2009」においてグレードA推奨を受け、治療の一手段として浸透しています。
装具の課題
ここ近年、生活期での装具難民が課題となっています。患者様は退院後、身体機能の変化によって装具の適合も変化していきます。装具のメンテナンスが出来ないと、装具の異常に気づけないケースがあり、そうなると装具の故障ばかりでなく下肢変形の悪化や痙縮増悪(けいしゅくぞうあく)にも繋がり、運動機能・日常生活動作にも影響が出て悪循環に陥ります。
装具外来
そこで当院では装具外来を行っております。毎週火曜日午後、リハビリテーション科医師・義肢装具士・理学療法士が中心となり、外来・入院患者様の障がいに合わせた装具・義肢等を作製、修理、調整、様々な相談に応じています。外来患者様の装具新規相談やフォローアップも行っております。
お困りの際は一度相談してみてください。
1. 装具療法について リハビリテーション医学 Vol.30 No.8 1993
2. 中村学ほか:装具外来における生活期脳卒中患者の装具療法と運動療法 Jpn J Rehabil Med 2019;56:272-276
3. 増田知子:脳卒中片麻痺患者における装具療法の進め方-セパレートカフ式長下肢装具の活用-日本義肢装具学会誌 Vol.29 No.1 2013