リハビリテーション科コラム

冬場のヒートショックに注意しましょう!

リハビリテーション科 作業療法士 中村 司

2023/1/27掲載

ヒートショックとは?

大きな気温の変化によって血圧が急激に上下し、心臓や血管の疾患が起こることをヒートショックと呼びます。血圧の上下により、脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞などの病気を引き起こす原因となります。令和元年でのデータでは交通事故による死亡者が約3000人に対し、ヒートショックに関連した死亡者は約4900人となっています。

なぜヒートショックが起こるのか?

ヒートショックは家中の温度差が原因で起こり、真冬に暖房をつけている暖かい部屋から、気温の低い浴室やトイレに入った際などに引き起こしやすいと言われています。理由として、人間の体は、室温の急激な変化に対応するために、筋肉を震わせて熱を作りつつ血管を細くして、体の熱を逃がさないように調整しています。血管が縮むと血液が流れにくくなり、その結果として血圧は上昇しますが、浴槽につかることで血管が拡張して、急激に血圧が低下します。そのため、入浴中は血圧が急激に変動し、脳血管疾患や心臓疾患を引き起こします。

ヒートショックはなぜ起きるのか?

ヒートショックが起こりやすい人の特徴

  1. 65歳以上の高齢者
  2. 生活習慣が乱れ、心筋梗塞などを引き起こしやすい生活をしている人
  3. 糖尿病・高血圧・肥満などの慢性疾患を患っている人
  4. 睡眠時無呼吸症候群・動脈硬化・不整脈がある人
  5. 浴室・トイレに暖房設備がない人
  6. 熱い風呂や長風呂を好む人
  7. 飲酒後に風呂に入る習慣がある人
等が挙げられます。

入浴に伴うヒートショックの予防策

  • 脱衣所を温め温度差を減らす
    1. 入浴前に脱衣場と浴室を暖かくしておく
    2. 湯船につかる前に、シャワーやかけ湯で体を温める
    3. お風呂の温度は38~40°にし、長湯を避ける
    4. 入浴前後には、コップ一杯の水分補給を
    5. 入浴前のアルコール・食後すぐの入浴は控える
    6. 血圧が高いときには、入浴を控える
    7. 浴室に手すりを設置する
    8. 家庭内で「見守り体制」をつくる

ヒートショックの症状や予防法まとめ

ヒートショックが起きやすい人は 家の中の温度差が原因となります。トイレや浴室にも暖房設備を設置し、できる限り予防することが重要と言えるでしょう。また、浴槽に手すりを設置することで転倒を防ぐことができるので、浴室のリフォームやバリアフリーへの改善もヒートショックを防ぐ良い案となるでしょう。

【参考引用】全国健康保険協会「しっかり予防!冬季のヒートショック」

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