リハビリテーション科コラム

廃用症候群について

リハビリテーション科 理学療法士 窪寺 佑太朗

2022/10/22掲載

COVID-19新型コロナウイルス感染症の流行や暑さ去りやらぬ昨今ですが、皆さん運動はされていますか?日常生活で動ける身体能力があるのにベッドの上だけが生活の基本となっていませんか?

今回は過度な安静や活動量の低下によって生じる廃用症候群についてお話しします。

廃用症候群とは

廃用症候群とは加齢や疾患による活動性の低下、骨折や手術等による安静時間の延長により生じる、身体状況の悪化や精神状態に悪影響をもたらす状態のことを指します。

廃用症候群によって起こる主な症状

  • 体力が落ち、心肺機能が弱っている
    1. 筋力低下
    2. 関節が硬くなる
    3. 心肺機能の低下
    4. 便秘
    5. 嚥下機能の低下
    6. 血栓ができやすくなる
    7. 生活リズムの乱れ
    8. 認知機能の低下
    9. 床ずれ など

様々な要因が重なると、悪循環となり入院が長期化し、落ちた体力や筋力を元に戻すには20代男性でも3倍以上の時間を要すると言われています。体力が落ちた状態から始めると、身体的にはかなりきつい状態からリハビリや運動することになります。

廃用症候群を起こさないためには

自宅で生活されている方は日常生活で習慣をしっかりつけて、身の回りのことは自身で行うことがまずは大事です。屋外での活動が行える方はウォーキングや犬の散歩等の軽い運動でも継続して頂くことが重要です。

循環器疾患や呼吸器疾患をお持ちの方は、病院へお越しの際に先生に相談のうえ、運動を行いましょう。運動は入院期間の短縮にもつながり、活動期間が長くなることで認知機能の賦活(ふかつ)、筋力・体力の向上等様々な効果を得ることができます。そのためにも、入院中の方や手術された方でも過度な安静は廃用症候群の原因になるため、早い時期からリハビリの時間や看護師さんと一緒に体を動かすことで予防を図っていくことが重要です。

痛みや気分不快感等色々な制限がありきついこともありますが、1日中ベッドで横になっているのと、椅子やベッドに腰掛けて過ごしているのとでは体力、筋力低下が大きく差が出てしまいます。つらいこともあるかもしれないですが、運動習慣を身に着けて、少しでも長く身体を動かせるように頑張りましょう。

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