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寒さが身に染みる季節になりました。寒い時期になると手足の冷えに悩む人も多いのではないでしょうか。今回は手足の冷えに対する生活の工夫をご紹介します。
冷え性は、本来働くべき体温調節機能が上手く機能していない状態で、普段から手足(特に末梢部分)の血液の流れが悪くなっている人では、気温が低くない時でも手足の冷え、しもやけ、あかぎれ、しびれ、痛み、むくみなどの症状が現れます。医学的にはこのような状態を「末梢循環障害」と言います。
症状が続くと「冷え」から「痛み」に変わることもあるため、なるべく早期に改善させるべきです。
冷えの原因とは?
冷え性の原因には以下のような生活習慣が大きく関わっています。
運動不足
運動不足になると筋肉量が減り、全身を巡る血流が減少するため、末梢へ血液が届きにくくなります。また運動は熱産生を促すため、運動不足になると熱が作られにくくなります。
ストレスや不規則な生活
ストレスや不規則な生活により、体温調節機能のある自律神経に乱れが生じて、ストレスは交感神経を活性化させます。交感神経は末梢の毛細血管を収縮させて末梢の血液循環を悪化させます。
食生活の乱れ
脱水や脂質・糖質を多く含む食事を摂取することで血液は粘稠性(ねんちゅうせい)を増し、ドロドロとした血液になります。粘稠性の高い血液は循環しにくく、末梢への血流が低下します。
喫煙
タバコに含まれるニコチンは、依存性を高めるだけでなく、副腎に作用することで血管収縮等を引き起こします。血管収縮により末梢循環が悪化します。
他、性差も影響します。女性は女性ホルモンの影響や、男性に比べて筋肉量が少ないため、冷えを引き起こしやすいと言われています。
生活の工夫
では、どのように冷えを改善すれば良いのでしょうか。日常生活の中に上手く取り入れて、予防・改善していきましょう。
入浴・半身浴
シャワーではなく、お風呂につかって体を温める事が冷え性改善するためには効果的です。副交感神経が働いて血管が広がり、血流が良くなります。
適度な運動
運動は自律神経を整え、筋肉量を増やします。生活の中で、少し歩く量を増やしたり、家事や用事の合間にストレッチや指先のマッサージをする事も血流を改善するためには効果的です。
また腹式呼吸は副交感神経が働きやすくなります。
食べ物
食事で摂ったエネルギーの7割以上は熱となり身体を温めます。これを「食事誘発性熱産生」と言います。
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食事をすると、栄養素の一部は体熱となって消費します。この消費するエネルギーはたんぱく質がもっとも多く、たんぱく質のみを摂取した時には摂取エネルギーの約30%、糖質のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%になると言われています。
たんぱく質を多く含む食品は、肉、魚、卵、チーズ、大豆製品等です。バランスのよい食事をベースに、たんぱく質を摂取するように心掛けましょう。
東洋医学では、食品を「陽性(身体を温めるもの)」と「陰性(身体を冷やすもの)」、そして、どちらでもない「中性」の3種類に分類しています。冷え症には、「陽性」の食材を摂取することが望ましいと言われています。例えば、寒い土地で採れる野菜に多く、生姜、ネギ、にんにく、人参、ごぼう、りんご等です。