リハビリテーション科コラム

失語症との関わり方 ~ことばの“理解”について~

リハビリテーション科 言語聴覚士 斉藤 実玖

公開日:2026-09-11

突然、言いたい言葉が出なくなる・相手の話が理解できなくなる失語症。知能の低下ではなく、脳の病気によって言葉の機能が低下した状態を指します。今回は仕組みと関わり方について説明します。

1)失語症はなぜ起こるのか

  • 失語症イメージ
  • 失語症の主な原因は脳卒中(脳梗塞や脳出血)や頭部外傷です。脳の左側(左半球)には言葉を司る言語中枢があります。この部分がダメージを受けることで言葉のネットワークが分断されてしまいます。

2)どんな症状?

主に「聞く」「話す」「読み書き」の機能に対し障害が生じます。

  1. 聞く:相手の言葉が理解できなくなる。外国語のように聞こえる。
  2. 話す:言いたい言葉が出てこない、言い誤る
  3. 読み書き:文字が読めない、自分の名前や知っているはずの言葉が書けない、頭の中に言葉はあっても出てこない等

3)周囲の関わり方

周囲の理解と正しいサポートが必要不可欠です。

環境を整える

1対1で対面し、口の形が見える位置でお話ししましょう。

ゆっくり、はっきり、短く話す

一度に多くを伝えると混乱しやすいため、1文を短く区切り、身近な単語を使いましょう。

質問の工夫

「はい」「いいえ」で答えられる質問を心がけましょう。

さいごに

言葉に詰まっても焦らせず、じっくり待つことが大切です。困った際はいつでも言語聴覚士にご相談ください。

【参考文献】
「標準言語聴覚障害学」藤田郁代 医学書院
「病気がみえる Vol.7 脳・神経第2版」岡庭豊 メディックメディア
「高次脳機能障害学 第2版」白石泰夫 医歯薬出版株式会社