掲載日:2026年3月6日
はじめに
「最近、腕や足が動かしづらい」「関節が固くなってきた気がする」
そのような症状の背景には“関節拘縮(こうしゅく)”が原因かもしれません。
関節拘縮とは、皮膚や筋肉、腱、靭帯、関節包など関節の周囲にある組織が固くなり、関節の動く範囲が制限されてしまう状態です。

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長期間関節を動かさない状態が続くと、関節の周囲の組織が伸びにくくなり、関節がさらに動きにくくなります。場合によっては、組織の癒着や瘢痕化が関与することもあります。
原因
関節拘縮は、主に「関節を動かさない状態」が続くことで起こります。
- 長期入院による安静期間
- 寝たきりの状態
- ギブスなどによる固定
- 骨折や靭帯損傷後の安静
- 浮腫みや循環障害
特に高齢の方では活動量の低下が重なることで、進行しやすい傾向があります。
リハビリテーションでできること
① 関節可動域訓練(ストレッチ)
硬くなった組織をゆっくりと持続的に伸ばしていきます。
強い痛みを伴うほどの力は逆効果となるため、痛みの出ない範囲で行うことが大切です。
また温熱療法併用することで、組織の柔軟性が高まりやすくなる場合もあります。
② 動作訓練
歩行や立ち上がり、階段昇降などの日常動作も重要なリハビリです。
実際の生活動作の中で関節を使うことが、拘縮の予防・改善につながりますので、日常生活の中で身体を動かすことが大切です。
③ マッサージ
筋肉の緊張を和らげたり血流を促すために行います。
痛みを伴う強い刺激は避け、心地よいと感じる程度で行いましょう。
④ ポジショニング・シーティング
活動量が低下している方では、寝ている姿勢や座っている姿勢の調整が重要です。
- ポジショニング:寝ている姿勢を整えること
- シーティング:快適な座位姿勢を整えること
クッションなどを用いて身体を安定させ、無理な姿勢を防ぐことで拘縮予防に繋がります。
注意点
① 無理なストレッチを避ける
強引に伸ばすと、筋肉や靭帯を痛めてしまい、かえって拘縮を悪化させることがあります。
ゆっくりと痛みのない範囲で行うことが基本です。
② 継続が重要
拘縮は「動かさないこと」で起こります。
そのため、短時間でもよいので、こまめに関節を動かすことが重要です。
リハビリの時間以外でも、出来る範囲で身体を動かす週間をつけましょう。
自宅でできる簡単な運動例
① 手指・手首
- 指をゆっくり伸ばすストレッチ
- 手首をゆっくり反らす・曲げる運動
- 指の開閉運動
② 肩・上肢
- 片方の手で支えながら腕を前方や上方へ上げる運動(自動介助運動)
・服部リハビリテーション技術全書 第3版
・臨床OT ROM治療-運動・解剖学の基本的理解から介入ポイント・実技・症例への展開