外来化学療法室のご案内|診療・サポート体制|がん診療のご案内

1.化学療法室の特徴

化学療法室は、患者さんが入院せずに、通院で抗がん剤(薬物療法)治療を行うところです。

入院費用を抑え、住み慣れた生活環境の中で、仕事や家事などを継続しながら治療を行うことができます。化学療法室には、医師、がん化学療法看護認定看護師、専任の化学療法看護師、薬剤師、管理栄養士など多職種が所属し、患者さんが安全・安心・確実に治療継続できるように支えています。
※ご家族のご同席も可能です。「4.治療時の注意点」を必ずお読みください。

  • 化学療法室化学療法室
  • 化学療法室化学療法室内

2. 設備

  • 化学療法室化学療法室マップ
  • リクライニングベッド

A棟1階14番の化学療法室は、ベッドが4床、リクライニングベッドが12床、トイレが2ヶ所あります。リクライニングベッドには、テレビを設置してあります。テレビを利用するときには、イヤホンの持参をお願いいたします。各部屋、カーテンで個室のように仕切ることができ、リクライニングシートやベッドの角度を調整して頂いて、リラックスしながら投与を行うことができます。

待合室

化学療法室入口の待合室にアピアランスケアのウィッグや帽子、マニキュアの展示があります。また、栄養補助食品等のパンフレットを用意してあります。月曜日から金曜日の8時30分から17時30分まで、お気軽にご覧いただけます。閲覧の際に、スタッフへお声掛けください。

  • 待合室待合室
  • 栄養補助食品等のパンフレット栄養補助食品等のパンフレット

ご相談

化学療法室専任看護師や薬剤師がおりますので、相談することが可能です。時間帯によっては、少しお時間を頂く可能性があります。ご了承ください。

3.外来受診から化学療法室での治療の流れ

  • (1)受付

    1. 自動再来機で受付し、外来基本票をファイルに入れてください。
    2. 各外来ブロック受付で、自動血圧計で血圧測定を行ってください。
    3. 血圧測定の結果の用紙を取って、ファイルにはさみ、各外来ブロック受付に、ファイルを渡してください。
    4. 各外来ブロック受付で、脇で体温測定をお願いします。
  • (2)採血室

    1. A棟 10 1階採血室 8時開始(月~金)(土)8時30分開始
    2. B棟 20 2階採血室 8時30分開始 

    結果が出るまで1時間程度かかります。

  • (3)看護師の問診

    1. 化学療法室 8時30分開始
    2. 採血後、化学療法室で体調の確認を行います。
    3. 記入した問診票、質問票を、ファイルにはさんで用意してください。
    4. 体重測定を行います。
  • (4)医師の診察

    1. 診察を受けた後は、化学療法室へおこしください。
      ※治療中止の場合は、会計へお進みください。
    2. 針が留置されている場合は、化学療法室へお寄りください。
  • (5)化学療法

    1. 化学療法室で点滴等を実施いたします。
      ※ 下記「4.治療時の注意点」を必ずお読みください。
    2. 治療中は、看護師が対応いたします。
    3. 薬について聞きたいことがあれば、薬剤師が担当いたします。
  • (6)会計

    1. 総合受付3番窓口にファイルを提出してください。
    2. 電光掲示板に受付番号が表示されましたら、自動支払機で精算をお願いします。
    3. 院内処方がある方は、薬剤師が化学療法室でお渡しいたします。(治療内容によっては、薬剤師が会計でお渡しいたします。)

4.治療時の注意点

治療前

  1. 使用する薬剤の種類によっては、アルコール成分が含まれる薬や、眠くなる作用がある薬を使用する場合があります。その場合は、治療日はご家族の送迎や公共機関利用などで通院するなど、ご自身での運転を控えてください。
  2. サプリメント、健康食品を摂取すると、化学療法の効果を強めたり、弱めたりする場合があります。必ず、医師や薬剤師確認が必要になります。
  3. 他院で処方された薬や市販薬を飲んでいる場合は、医師、看護師、薬剤師へお知らせください。
  4. 治療開始前には、トイレを済ませてください。
  5. 治療開始後は、売店へ移動はできません。必要な方は事前に、飲み物、食べ物(※)の準備をお願いいたします。
    (※)においが強い食べ物の持ち込みはご遠慮ください。
  6. 本やラジオなどの持参は可能ですが、周りに治療を受けている患者さまがいらっしゃいますので、音が出る場合はイヤホンの使用をお願いします。
  7. ご家族の方も体温を確認いたします。熱がない場合は、治療中、ご家族の方は待合室や患者さんのそばで椅子に座っていただくことも可能です。また、外出されるご家族の方は看護師へお声かけください。

治療開始時の注意

  1. 治療開始から治療終了まで、点滴を安全、安心、確実に投与するために、名前の確認、点滴の漏れがないか、針が入っている部位を繰り返し確認させていただきます。針が入っている部位の痛み、はれ、その他、体に異常(かゆみ、じんましん、熱、吐き気、喉の違和感など)があればいつでも声をかけて下さい。薬の中には、点滴が漏れてしまうと、皮膚が炎症をおこし、処置が必要になる可能性のあるものがあります。点滴中に、痛み、腫れ、違和感があれば、すぐに看護師へお知らせください。
  2. 点滴をしている部分は、点滴の管をひっかけないように、点滴が入っている腕の部位はなるべく動かさず、安静にお願いします。
  3. トイレなど移動する時はナースコールでお知らせ下さい。
  4. 点滴の管、点滴台に気をつけて歩いてください。

治療終了後

  1. 腕からの点滴治療時、点滴の針を抜いた後は5分間、圧迫止血を行うために、ベルトを巻きます。5分後止血を確認できましたら、看護師が絆創膏を貼ります。帰宅したら、絆創膏を必ずはがしてください。
  2. 点滴した腕の部分は1週間程度、圧をかけないように生活を行ってください。点滴した部分が腫れ、痛みがある場合は、必ず電話連絡を入れてください。放置をすると悪化や治癒まで時間がかかる可能性があります。
  • 化学療法室症状の記録をつける問診票
  • 点滴などの治療後は、患者さんもしくはご家族の方の協力のもと、問診票に症状の記録を付けていただきます。問診票に症状の記録を付けることにより、副作用症状の状態を把握することができます。

    問診票のチェック項目の3、4にチェックをした場合は、必ず病院へ電話連絡を行ってください。その他、体調がすぐれない場合は、頑張らないで電話連絡を行ってください。

5.副作用について

化学療法治療は、副作用が出現する場合があります。患者さんの病状や、治療内容で、症状に違いはあります。化学療法治療前に、医師や薬剤師、看護師より副作用についてくわしい説明があります。不安になるとインターネットの情報や友人の話などいろいろな情報が気になると思います。必ずしもその副作用が出るとは限らないので、医師や薬剤師、看護師へ相談を行うようにしましょう。

入院すれば医師や看護師などにすぐに相談できますが、通院だと相談が思うようにできない可能性もあります。日々、問診票を記入し、体調確認を行うことにより、入院しているときと同じように副作用を把握することができます。この治療は、副作用症状が辛くならないように、うがい、手洗いなどで感染を予防します。医師より処方された薬を飲んだり、塗ったりすることにより、副作用をコントロールして行っていきます。

また、当院は手先などのしびれが出やすい副作用の抗がん剤投与の際に、手、足を冷やす方法を取り入れています。

薬剤師や看護師より、患者さんがより自分らしく生活できるように、副作用が最小限になるように一緒になって考え、支えていきます。副作用症状は、正直に我慢せずに伝えていくことが、この治療で重要になります。がんばらずに伝えてください。

6.治療後、ご自宅での注意点

アレルギーなどについて

点滴後24時間は、熱、蕁麻疹など体調不良の症状があった場合は、病院へ連絡をしてください。

感染予防対策について

点滴をして7日から14日目は、血液中の白血球や好中球の数が減り、細菌から体を守る機能が低下しやすくなります。点滴後は、日々、うがい、手洗い、マスクなど感染予防対策をしっかり行ってください。皮膚も弱くなりやすいので、泡で優しく洗って、タオルで優しく抑えるように水分をふき取り、ハンドクリーム等で保湿をたっぷりと行うようにしてください。

化学療法薬(薬物療法薬)について

化学療法薬の抗がん剤の注射薬または内服薬を投与後、数日間は排泄される便・尿の中に微量の抗がん剤が含まれます。長期的な影響として、ごくごくまれに悪性腫瘍にかかったり、生殖へ影響がある可能性もあるため、自分、まわりの方々の体を守る必要性があります。そのため、排泄物の処理には男性の方もトイレに座って排泄し、トイレの蓋を閉めて、トイレの水を2回流します。トイレ掃除などは手袋・マスクなどの使用が推奨されます。

原則、抗がん剤投与後7日間は、排泄物の取り扱いに注意してください。

点滴薬の抗がん剤について

  1. 点滴投与中、投与後、トイレは座って排泄しトイレの蓋を閉めて水を2回流してください。
  2. トイレ使用後は石鹸で手を洗ってください。

内服抗がん剤について

  1. 服用する前、服用後は石鹸で手を洗い、清潔を保ってください。
  2. 素手でさわらないように錠剤はコップなどに入れて服用してください。
  3. 薬剤師より薬の殻を取っておくように話があった場合は、取っておいてください。
    薬の殻を捨てる場合は、殻を袋やティッシュなどくるんでから捨ててください。
  4. 連続して抗がん剤内服し、最終内服日より7日間は、トイレは座って排泄し、トイレの蓋を閉めて、水を2回流してください。

日常生活面の注意

洗濯物について

  1. 尿・便・吐物・大量の発汗等で汚染した場合、1度目は、患者さんの汚れたものだけ洗い、2度目は通常の洗濯と一緒に洗ってもかまいません。基本的には区別は不要です。
  2. 尿・便・吐物など汚れたものを取り扱う場合は使い捨てビニール手袋、使い捨てマスクを装着してください。
  3. 終了時は石鹸で手を洗ってください。

ストーマケア、おむつについて

  1. ストーマ装具の交換は、できるかぎり抗がん剤投与前に行ってください。
  2. ストーマ袋やおむつの排泄物の処理は使い捨てビニール手袋、使い捨てマスクを使用し、排泄物の飛散にご注意ください。
  3. ストーマ内の排泄物を処理する場合は、便器に捨ててから、トイレの水を流す際は必ず蓋を閉め、2度流してください。
  4. 使用済みのストーマ装具、おむつ、手袋などは、ビニール袋を2重に密閉し、廃棄してください。その後石鹸で手を洗ってください。
  5. 排泄物がトイレの床にこぼれてしまった場合は、トイレットペーパーで拭き取り、5%次亜塩素酸ナトリウム液(原液)で拭き、その後水拭きをしてください。使用したものは、ビニール袋を2重に密閉し、廃棄してください。その後石鹸で手を洗ってください。
  6. 皮膚についた場合は、流水で洗い流し、石鹸で洗ってください。もしくは、水拭きをして、石鹸を泡立て洗い、石鹸成分が落ちるまで、水拭きをしてください。
  7. 薬によっては、手がしびれて装具が貼りにくくなったり、ストーマ周囲より出血したり、便の回数が増え、装具がはがれやすくなる可能性もあります。お困りの時はご相談ください。

7.問い合わせ先

治療後、次のような症状がある場合は、ご連絡ください。

  1. 38.0度以上の熱が続くとき
  2. 点滴をした血管のまわりが痛くなったり、赤くなったり、はれているとき
  3. 吐き気、嘔吐、口内炎がひどく飲食できないとき
  4. 下痢がひどいとき
  5. 体がだるくて動く気になれない日が続くとき
  6. ふらつき、息切れ、動悸があるとき

この治療の合言葉は、「がんばらない」です。些細なことでもかまいません。体調のことをくわしく医師、看護師へ伝えてください。患者さんにあった生活しやすい方法を一緒になって考え、スタッフ一同支えてまいります。
不安なこと、お困りこと、疑問に感じたことがあれば、いつでもスタッフにお声掛けください。

症状が辛いときや悪くなった時は、我慢せず早めに病院へ連絡し、ご相談ください。

緊急連絡方法
  1. 看護師が医師へ症状を伝え、対応をいたします。
  2. 症状が辛いときには、外来診察を行っている時間帯の午前など早めにご連絡ください。