2020年4月号

在宅での心不全管理

リハビリテーション科 宮澤 佳那

  • 近年、高齢者の高血圧や弁膜症増加などにより心不全患者が急増しています。高齢化に伴い今後も増えていくであろうといわれ、これを「心不全パンデミック」と呼ぶこともあります。心不全とは心臓の機能が低下した状態を指し、心臓が弱ってしまう原因疾患がある場合が殆どです。中には高血圧などの生活習慣病と言われるものから心不全状態になる方もいらっしゃいます。

心不全になると息切れなど様々な症状が現れ、重症度によっては普段の生活が困難となることがあります。その場合には入院や外来での治療が必要となります。入院中は医師・看護師・薬剤師・栄養士などの多職種の専門スタッフが心不全を悪化させないためにしっかりと管理をしていますが、自宅ではご自身で心不全管理を行わなければなりません。心不全が悪化し再入院を繰り返すと、心臓の状態や身体機能は著しく低下するといわれています。では実際、どのようにして心不全を管理すればよいのか、お伝えしていきたいと思います。

心不全の管理で重要なこと

まず、心不全の管理で重要なことは、自分の体をよく観察することです。心不全が悪化すると足先を中心にむくみが出現し、体重が増え、普段何気なく行う動作でも息切れがするなどの症状が現れます。それでは、実際にどのように観察すればよいのかをお伝えしていきます。むくみはすねの辺りを指で押し、痕が残る場合はむくんでいると考えられます。長時間の座位・立位でむくむことは健康な人でもあることなので、起床した時にむくみがあるかを観察してみましょう。体重測定は毎日決まった時間で食前に行うのが理想的です。1週間で2~3kgの増加がある場合には心不全悪化の可能性があります。息切れは、激しい運動をした際には誰でも起こることですが、普段は息切れしないような軽労作でも容易に息切れが出現する場合は心不全悪化の可能性があります。



今回は自宅でできる心不全管理の方法についてお伝えしました。もちろんですが、医師から処方された薬をきちんと飲むこと塩分を摂り過ぎない食事を心がけること適度な運動をすることなども重要です。適度な運動については、ウォーキングや下肢の筋力トレーニングを中心に「息切れせず、軽く汗ばむ程度」を目安として、ご自身のペースで行ってみてください。詳しくは過去に掲載している「心不全に対するリハビリテーション」をぜひご参照ください。これらのことに気を付け、質の高い生活を送れるよう一緒にがんばりましょう。