掲載日:

常勤専門医4名による大学病院水準の治療体制

田内哲三(血液内科部長)

当科が大切にしている言葉は、「医は仁術なり」です。私たちは、病気を治すことはもちろん、患者さんとご家族が安心して治療を受け、できる限り元の生活に戻ることができるよう支えることも、医療の大切な役割だと考えています。そのために、一人ひとりの患者さんに寄り添い、十分な対話を重ねながら、その方にとって最善の医療を提供することを心がけています。

日本血液学会血液専門医常勤4人、非常勤2人が在籍する日本血液学会認定血液研修施設であり、毎日の血液専門外来では常時30~60人の外来患者さんの診察を行っており、大学病院レベルを超える“血液疾患治療”を、地域で提供できると自負しております。令和8年4月1日より松縄学医師が加入し、大幅に診療体制の充実を図ることができました。松縄学医師は世界的に有名な小川誠司氏に師事、白血病発症の分子機構を明らかにして日常診療に取り入れております。

また、当院血液内科では、令和2年4月より東京医科大学病院の片桐誠一朗医師による急性白血病専門外来を設けております。片桐誠一朗医師は国内随一の急性白血病治療エキスパートであり、最先端の治療を受けることが可能です。片桐医師は最先端治療法として、CAR-T療法・造血幹細胞移植を第一線で実施しており、事前予約なしでも受診可能な体制をとっております。

急性骨髄性白血病の治療

べネトクラクス・アザシチジン併用療法は、2021年3月に本邦における保険承認も得られ、一気に国内で多く実施されるようになりました。当院におきましてもいち早く導入し、多くの高齢者急性骨髄性白血病患者さんに良好な成績を得、独自の工夫を加えることにより長期に生存していただいている患者さんも出てきています。

この治療法の大きな特徴は従来から使用してきた殺細胞性の抗がん剤を使用しない“患者さんに比較的優しい治療法”にも関わらず、治療効果発現は早く、さらに白血病細胞が減少し正常造血が回復すれば、1~2サイクル後という早期に外来での治療継続に移行することが可能であり、高齢者が自宅で白血病治療を受けることができるというQOLの著明な改善に繋がっています。

また、骨髄異形成変化を有する急性骨髄性白血病の患者さんで、強力化学療法となる方には白血病細胞に取り込みやすい型の抗がん剤CPX-351が使用されており、従来型の抗がん剤治療と比較して高い奏効率が得られています。

多発性骨髄腫の治療

多発性骨髄腫の治療はこの10年で目覚ましい進歩を遂げ、黄金時代を迎えています。以前は「治癒しない病気」のため、ずっと病気と一緒に生きていかないといけない、というお話をしていましたが、新規薬剤を最初から使うことで、最近は「治癒する患者さん」も出てきているのではないか、と期待されています。当院では多発性骨髄腫に対する造血幹細胞移植は二次発がんリスクが上昇する観点から、高度の難治症例にのみ適応しております。

寛解導入療法として、ダラツムマブ、ボルテゾミブ、レナリドマイド、デキサメサゾンの4薬剤またはイツキシミマブ、ボルテゾミブ、レナリドマイド、デキサメサゾンの4薬剤で治療を実施。臓器障害に応じて薬剤の入れ変えを行います。

1~2年程度で完全寛解(sCR)に至らない患者さんに対しては二重特異抗体にて地固め療法を実施し、治療開始5年以内の薬剤中止を目指します。また、患者さんの選択肢を広げられるように、可能な限り多くの情報を提供するようにしています。

無菌室(特殊診療施設)のご案内

抗がん剤治療などで使用されるクリーン度の極めて高い病床を7床備えています。強力な化学療法後の一過性免疫不全状態では、患者さんはこの無菌室内でケアされます。これにより日和見感染が予防され、治療成績が飛躍的に向上しています。

クラス100無菌室1床
クラス10000無菌室6床

血液内科 医師紹介

①専門分野/得意な領域 ②卒業大学 ③主な経歴 ④専門医・指導医・資格・公職等

田内 哲三(血液内科部長)

①造血器腫瘍、慢性骨髄性白血病 ②東京医科大学 ③日本内科学会認定医・指導医/日本血液学会専門医・指導医・評議員/臨床研修指導医/医学博士

中里 哲郎(血液内科科長)

①造血器腫瘍 ②東京慈恵会医科大学 ③日本内科学会総合内科認定医/日本血液学会専門医・指導医/医学博士

久保田 靖子(血液内科医長)

①造血器悪性腫瘍の診断・治療 ②鹿児島大学 ③日本内科学会総合内科専門医・指導医/日本血液学会専門医・指導医/日本神経学会専門医/日本がん治療認定医機構がん治療認定医/公益財団法人日本骨髄バンク調整医師/日本サイコオンコロジー学会認定コミュニケーション技術ファシリテーター/インフェクションコントロールドクター/医学博士

松縄 学(血液内科科長)

①血液内科一般、造血器腫瘍 ②昭和大学 ③日本血液学会血液専門医・血液指導医・評議員/日本内科学会総合内科専門医・指導医/日本輸血・細胞治療学会認定医・細胞治療認定管理師/日本がん治療認定医機構がん治療認定医/日本化学療法学会抗菌化学療法認定医/日本医師会認定産業医/ICD(Infection Control Doctor)/臨床研修指導医/医学博士

【非常勤医師】

片桐 誠一朗

福田 哲也

コラムのご案内

「白血病ってどんな病気?」
「多発性骨髄腫について」