放射線診断科
当科の特徴(概要)
放射線診断科には、CT、MRI、SPECT、PET-CT、血管造影装置といった高度な画像診断機器がそろっており、いずれの機械も2020年の時点における最新機種です。 これらの検査で得られた画像を、放射線診断専門医が読影することによって、各診療科の担当医が、病気を探し、病気の状態を把握するためのサポートをしております。 加えて下記の通り、血管造影装置やCTを用いたIVR(インターベンショナルラジオロジー)も行っております。
また、他の医療機関からの依頼での検査や、人間ドックの検査も積極的に行っており、いずれの結果に対しても、放射線診断専門医が読影しております。
画像診断機器
一般撮影
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当院では3室の一般撮影室でレントゲン撮影を行っています。この装置は、無用な被ばくを抑え最適な線量で良好な撮影画像が得ることができます。天井吊り下げ型ですので整形外科診療での多彩な撮影に対応可能です。小児から高齢者まで安全にスムーズな検査を心がけています。
マンモグラフィ
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GE 社の最新機種である『Senographe Essential』は、高画質・低被曝撮影の技術に加え、大型フラットパネル(24×31cm)を搭載しています。新たに撮影が可能となったトモシンセシスでは強い圧迫をせずに断層撮影を行い、病変をより見やすく抽出し、診断を容易にすることが出来ます。撮影は、マンモグラフィ撮影技術認定技師を含む女性技師が担当しています。
骨塩定量
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骨粗鬆症とは骨の内部がスカスカになり、わずかな衝撃により骨折しやすくなる病気です。当院では、その骨粗鬆症の診断にとても有効なX線装置を導入しています。 この機種は、ダイレクトデジタルディテクターを搭載しており、高画質、低被ばく、高精度を実現しました。1回のキー操作で高精度かつ高速解析を実行し短時間での検査が可能となっています。身体各部位から全身まであらゆる測定が容易に検査できます。
透視
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当院には2台の透視装置があり、従来に比べて高精細な画像を得ることができる FPD(フラットパネルディテクター)というX線検出器を備えています。FPDは撮影した瞬間に歪みのない鮮明な画像を得ることができるので診断精度の向上が期待できます。また実用上の劣化もないため低い被曝線量を維持できます。胃のバリウム検査をはじめ、内視鏡を使った消化管の検査や治療、外科・泌尿器科領域など様々な検査に使用されます。
CT
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CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)とは、被写体の周囲からX線を照射し、得られた情報をコンピュータで処理することによって横断像(輪切り画像)として画像表示する検査です。人体の内部を画像として観察することができるため、診断に有用な多くの情報を得ることができます。さらに造影剤を使用することにより、血管の情報も含めたより詳しい検査を行うことが出来ます。
従来の装置に比べて検出器の列数が多くなり、人体の広い範囲をすばやくより細かく撮影することが出来るようになりました。また細かく収集したデータを使用して画像処理を行うことにより、輪切りの画像だけではなく様々な断面の画像の作成や、骨や血管の3D画像の作成も可能なため、診断のためにより多くの情報を提供することができます。
MRI
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MRI検査は、磁気と電磁波を利用して、体の断面を撮影する検査です。縦、横、斜め、あらゆる方向から撮影することができます。X線を使わないので、放射線による被曝の心配もありません。
当院には3.0テスラと1.5テスラの磁場をもつMRIが設置されています。3.0テスラは1.5テスラに比べ信号とノイズの比であるS/N比は約2倍になり、S/N比が大きくなるほど高画質になるので、あまりよく見えなかった細かな部位まで短時間できれいな画像が得られます。また、MRIのパラメータである緩和時間が長くなるため、血管の描出は向上しますが、良好なコントラストを得るためには撮影時間を長くする必要があり、動きのある腹部臓器の撮影には不利となります。MRI装置は磁場強度により利点と欠点があるため、当院では、部位や検査目的により2台の装置を使い分け、より良い画像が提供できるよう検査を行っています
血管撮影
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カテ-テルと呼ばれる直径3ミリほどの管を血管内に挿入して、造影剤という薬剤を注入することで、目的とする血管を造影して診断・治療を行うものです。外科的な手術に比べ、一般的に侵襲性が少なく、患者様への負担が少ないのが特徴です。
この機器は、正面および側面に48cm×42cmの大視野FD(フラットディテクタ)を搭載し2方向からの撮影を同時に行える(バイプレーン方式)ことから、被曝および造影剤量の低減と検査時間短縮などの利点があります。また、DynaCTと呼ばれるCアームを回転させて得られた画像から、簡易的CT画像を作成することができます。3D画像を作成することで、血管の走行を確認し診断や治療に役立てています。さらに回転3Dアンギオも可能で脳血管内治療の支援に高い精度と高効率をもたらします。
心カテ
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心臓カテーテル検査は、心臓にカテーテルを挿入し、心臓内の圧や血液の酸素濃度を測定・分析したり、造影剤を注入してX線撮影し、心臓の血液状態や形、心室・心房と弁の動きを調べたり、さらには心臓の筋肉(心筋)を採取して病理学的に検査する心筋生検などを行なう検査です。
循環器領域の血管内治療(PCI)を行うための、最新の血管撮影装置を装備しています。この装置は新しいX線検出器であるフラットパネルディテクタと最新の画像処理技術により、従来よりも高精細な画像をより低被曝で得ることができます。同時に2方向からの透視・撮影を行うことが可能であり、検査時間の短縮化、造影剤量の低減が図れます。また、全身広範囲をカバーすることが可能なマルチアクセスタイプのCアームシステムを採用しており、心血管治療だけでは無く下肢血管・腎動脈等、患者様の全身血行状態の改善が行えるようにしています。
PET
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PET検査は放射性同位元素を用いた検査で、主にガンの有無・広がりを知ることに有用な検査です。まずFDGと呼ばれる糖と放射性同位元素を結びつけた薬剤を体内に注入します。ガンに糖が取り込まれる性質(糖代謝)を利用して画像化します。その他、薬品を変える事によってアルツハイマー病を発症前に画像化し、高齢化社会の予防医学に役立てる事が可能です。この装置は短時間で、より小さい病変を見つけられることが出来る上位機種です。CT装置を搭載し、PET画像とCT画像と融合させることで病変の正診率を高める事が出来ます。また従来装置と比べCTの被曝線量を格段に低減できる機能を有しています。
SPECT
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RI検査は放射性同位元素を用いて体内臓器の機能・状態を視覚的に画像として得る装置です。放射線を放出する放射性同位元素が体内の臓器に特異的に集積する性質を利用し、カメラにて撮像します。検査目的に応じた特別な薬剤を使用します。この装置は従来よりも短時間で良い画像が得られることが特徴です。またCT装置が搭載されておりますので、ずれのない、より正確で明瞭な画像を得る事が可能です。
体外衝撃波結石破砕治療
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ドルニエ『 Delta Ⅱ』 尿路結石を外科手術をしないで、体の外から衝撃波を結石に照射して粉々に砕き、体の外に流しだす治療法です。砂状に破砕された結石は尿とともに自然に体外に排出されます。衝撃波の照準を結石に合わせるため、放射線もしくは超音波を利用します。