眼科
当科の特徴(概要)
眼からは多くの情報が入り、視力の低下はquality of visionの低下のみならずquality of lifeの低下を招きます。 眼という局所に様々な疾患がありますが、当院ではまぶたや眼窩(眼の周り)の疾患から眼内、眼底までさまざまな眼の病気の診断、治療に力を入れております。
対象疾患
※午前の外来診療時間は10:30までとなっております。
※白内障では入院手術(片眼)を1泊2日で行っており、両眼の場合は片眼ずつ2回の入院となります。
主な治療法
白内障
加齢や糖尿病、外傷などさまざまな原因がありますが、水晶体(眼の中のレンズ)が濁ることを白内障といい、かすみやまぶしさといった症状が出ます。当院で施行している手術はアルコン社のコンステレーションビジョンシステムを用いて、創口が2~3mm程度で済む極小切開白内障手術を行っております。
麦粒腫・霰粒腫
まぶたにある分泌腺が細菌感染を起こして腫れたものを麦粒腫、分泌物(脂)がたまって腫れたものを霰粒腫といいます。麦粒腫は目薬や軟膏で良くならない場合には、針で刺して膿を出す手術を行います。霰粒腫は自然に良くなることもありますが、様子をみても改善しない場合にはまぶたを切開して分泌物を取り除く手術を行うこともあります。
糖尿病網膜症
糖尿病になり血糖値が高い状態が持続すると網膜の毛細血管が詰まってしまいます。網膜の血流が悪い状態がさらに持続すると新生血管が生えてきて、眼底出血の原因となります。初期では視力低下などの自覚症状がでないため、糖尿病がある方は眼科での定期的な眼底検査が必要になります。
外来でレーザー治療をしたり、硝子体手術を施行することにより視機能の温存をはかります。
また、眼底にむくみ(黄斑浮腫)がみられる場合には、浮腫を引かせるための薬剤(抗VEGF*薬やステロイド)の眼内注射も行っています。
*血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)
単純網膜症
もっとも初期の段階です。網膜の毛細血管が膨らんで小さな瘤(こぶ)ができ、小さな出血が起こったり、白斑がでてきたりします。この段階では自覚症状はありません。
増殖前網膜症
網膜の出血や白斑がふえます。網膜の細小血管が拡張したり血流が途絶えたりします。危険がせまってきていますが、ここまで進行してもはっきりとした自覚症状はありません。
増殖網膜症
末期の段階です。血流がとどこおってしまい、そのため新生血管という未熟な血管が出来ます。網膜の前にある硝子体に出血が起こったり、網膜が剥がれてしまったりします。この段階では、視力低下や視野狭窄(見える範囲が狭くなること)という自覚症状が出来てきます。
※主な自覚症状
- 目の前に黒いごみのようなものがちらつく(飛蚊症)。
- 墨を流したように黒いものが目の前に降ってくる。
- 視界の一部にカーテンがかかったようにかげりがでてくる。
網膜静脈(分枝)閉塞
眼底にある網膜の動脈と静脈の交叉部で静脈が循環障害を起こし、眼底出血やむくみ(黄斑浮腫)がみられる病気です。この病気も糖尿病黄斑浮腫と同様に抗VEGF薬の眼内注射にて治療を行っています。
加齢黄班変性
物を見る黄斑部が老化により障害され、ゆがみや視力低下がみられる病気で、萎縮型と滲出型に分類され、日本では滲出型が多くみられます。滲出型加齢黄斑変性では主に抗VEGF薬の眼内注射にて治療を行っています。
緑内障
眼球の奥にある眼の神経が痛んでしまうため、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。緑内障の初期は、みえづらい等の自覚症状がでにくい病気です。基本は点眼による治療ですが、点眼だけでは緑内障の進行が食い止められない場合は、レーザー治療、外科的治療などで対応します。