看護師コラム
よい睡眠をとる方法
精神看護専門看護師 中嶋 須磨子
掲載日:2025年6月10日
よい睡眠とは?
睡眠の量(睡眠時間)と質(睡眠で休養がとれている感覚)が確保されている状態を言います。
特に、目が覚めた時に「あ~よく寝たなぁ!」という感覚が大切です。
適正な睡眠時間には個人差がありますが、6時間以上を目安として睡眠時間を確保しましょう(6時間未満の人は心血管疾患や死亡リスクが高い)。
ただし、必要な睡眠時間は年齢によっても変化します。
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年齢と睡眠時間の目安
- 15歳→8時間
- 25歳→7時間
- 45歳→6.5時間
- 65歳→6時間
睡眠時間にこだわり過ぎず、「日中に眠気で困らないかどうか」を目安にしましょう。
よい睡眠をとるための工夫
眠たくなってから寝床につく
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眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ、寝つきを悪くします。30分経っても眠れない時は、いったん寝床から出て別の部屋に行き、本当に眠くなったら戻りましょう。この間、時計を見てはいけません。
神経が昂ぶって眠れない時は、深呼吸や筋弛緩法などのリラクゼーションで心身の緊張をほぐすのも効果的です。
・コラム「自分で緊張や不安をほぐす方法」(2024年4月)はこちらから
・コラム「リラクセーションのすすめ」(2020年4月)はこちらから
寝る前の習慣
①スマホを見ない!
スマホの画面から出るブルーライトは、睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を抑制し、体内時計を乱すことが知られています。
②「一日の反省」や「つらいこと」を考えない!
寝る前の記憶や感覚は寝ている間に脳内で何度も繰り返され、長期記憶として自分の中に定着しやすくなります。ですから、今日一日の反省は早い時間に済ませ、寝る前には嬉しかったことや楽しかったことだけを思い浮かべるようにしましょう。
朝の習慣
①眠れても眠れなくても、毎朝できるだけ同じ時間に起きましょう
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起きる時間を一定にすると睡眠覚醒リズムが整います。
*休日の「寝だめ」はダメ?
実際には眠りを貯めることはできません。体内時計が乱れて時差ボケ状態になる恐れがあります。
②寝床に8時間以上居ないようにしましょう
高齢世代は、床上時間が長すぎるとアルツハイマー病の発症リスクや死亡率が増加することが報告されています。
③朝、目が覚めたら太陽光を20分以上浴びましょう。
体内時計が調整され、睡眠ホルモンの分泌が正常化します。
寝る前の嗜好品にも注意
カフェイン
寝る4時間前からカフェイン入のものは摂らないようにしましょう。
*カフェイン入…コーヒー、玉露、緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーラ、エナジードリンク等
*カフェイン無…麦茶、そば茶、黒豆茶、ノンカフェインのハーブティ等
アルコール
眠るための飲酒は逆効果。一時的に寝つきが良くなっても、夜中に目が覚めやすく、眠りも浅くなります。
水分
夜間のトイレ回数が増えないよう、寝る前の水分は摂り過ぎないようにしましょう。
たばこ
ニコチンは覚醒作用があります。加熱式たばこや電子たばこもニコチンを含んでいれば睡眠の質を悪化させます。
その他の生活習慣
- 夕食は、寝る2時間前までに済ませましょう。
- 入浴は、寝る1~2時間前にぬるめのお湯にゆっくり浸かりましょう。
- 食事は規則的にとり、日中に運動習慣を取り入れましょう。
- 昼寝をできるだけしないようにしましょう。もし昼寝するなら午後3時までの20~30分間で。