看護師コラム

化学療法室における看護師の仕事

がん化学療法看護認定看護師 有安 晴美

掲載日:2024年3月25日

化学療法治療の患者さんと看護師とのかかわりについて

  • 化学療法室化学療法室
  • 今回は、外来で化学療法治療の患者さんに看護師がどのようにかかわっているのか、ご紹介します。

    患者さんは、がんと診断され、主治医より化学療法治療の話があり、化学療法治療に同意後、化学療法治療開始になります。

初回は入院して化学療法治療を行いますが、入院中に化学療法オリエンテーション冊子内の化学療法問診票(以下、問診票(画像1))を記載していただいております。点滴治療後、何日目でどのような副作用が出現したのかが重要になります。次回以降、副作用が少しでも軽減できるように主治医、薬剤師、看護師は支えています。問診票へ記入し、化学療法受診日は忘れずに持ってきていただいております。

化学療法室(画像1)化学療法問診票

化学療法投与日は、各診療科の受付後に採血を行います。その後、化学療法室で問診となります。問診時、患者さんに、「化学療法(治療)を受ける方への質問票(以後、質問票(画像2))」へ問診票の内容を書き写していただきます。質問票の記入を通して、専門家へより詳しく相談ができるようになっております。例えば、医師へ病状や治療についての相談。痛みなどからだの症状や気持ちのつらさについての相談。経済的な問題や、利用できるサービスなどの相談。食事や栄養の相談。薬の飲み方や副作用などの相談。歯や口内炎、歯のみがき方の相談などができます。また、仕事や育児、家事、学業などの社会生活と化学療法治療などと両立できるように、患者さんの治療にあった副作用対策を行っております。

化学療法(治療)を受ける方への質問票(画像2)化学療法(治療)を受ける方への質問票

問診後、看護師が体調などをカルテに入力し、医者や薬剤師へ報告しています。医師による診察後、患者さんは、化学療法室へ移動になります。

化学療法治療中、点滴の投与部分や体調に何か変化があったときなどは、看護師へお伝えください。化学療法が安全、安心、確実に投与終了するように看護を行っております。また、化学療法室治療後に質問票をお渡ししますので、そちらに記載し、化学療法治療日に持参していただきます。

さいごに

化学療法治療後、副作用対策として、薬の処方内容の確認や、緊急時の電話連絡方法の確認を行っております。自宅での治療は、医療者がそばにいないため、さまざまな不安を抱えてしまう時もあるかもしれません。インターネットや本は調べやすいですが、正しい情報ばかりではありません。不安になったこと、副作用症状は、偽ることなく遠慮せずに医療者へお伝えください。化学療法室看護師は、少しでも不安が軽減し、治療ができるように支えていきます。