栄養管理科コラム

「プレバイオティクスって?」

栄養管理科 管理栄養士 山室 美紗恵

2022/2/28掲載

プレバイオティクスとは?

1月のメールマガジンでは免疫に関連し<プロバイオティクス>について紹介しました。

プロバイオティクスは「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物」と定義され、乳酸菌やビフィズス菌がその代表的なものです。

  • プレバイオティクス
  • その善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)の増殖を促し、腸内環境の整備に有用な食品<プレバイオティクス>と呼びます。

    プレバイオティクスは「大腸内の特定の細菌の増殖および活性を選択的に変化させることより、宿主に有利な影響を与え、宿主の健康を改善する難消化性食品成分」と定義されます。

プレバイオティクスの主な種類

プレバイオティクスの主な種類は、オリゴ糖、食物繊維などです。

オリゴ糖とは糖質の最小単位である単糖類が2~20個結合したものの総称です。なかでも消化吸収されにくく大腸まで到達する難消化性のものにはフラクトオリゴ糖・ガラクトオリゴ糖・パラチノースなどがありおなかの調子を整える特定保健用食品に認められています。

オリゴ糖は野菜や果物、牛乳などに含まれますがわずかです。オリゴ糖として市販されているものや食品に添加されているものも上手に利用しましょう。

食物繊維は、腸内細菌に利用され短鎖脂肪酸となり腸管の蠕動運動を活発にします。腸内細菌の活性化、排便量の増加、胆汁酸の吸着効果等がありまず。野菜や豆類、イモ類、きのこ類、海藻に多く含まれています。

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
「特定保健用食品」表示許可商品一覧
オリゴ糖類を含む食品食物繊維類を含む食品

「プロバイオティクス」と、「プレバイオティクス」を同時に行うことを「シンバイオティクス」と呼ばれます。主食・主菜・副菜のそろったバランスのよい食事(特に醤油や味噌などを使用する和食)はシンバイオティクスに繋がります。おいしさだけではなく食品の機能にも注目し健康を維持しましょう!

シンバイオティクス
【参考文献】
腸内細菌学会HP/日本食物繊維研究会誌Vol.4 No.2(2000)