栄養管理科コラム
「腸内から健康に
~プロバイオティクスのはなし~」
栄養管理科 管理栄養士 山室 美紗恵
2022/1/24掲載
寒さの厳しい日が続いています。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が再度広がっており体調管理に不安を感じている方が多いのではないでしょうか。
食事を通して新型コロナウイルスに対する免疫システムを特別に増強することはできないといわれていますが、免疫システムを正常に機能させるためには多くの栄養素や関連物質が関与しています。 今回は免疫に関連し、<プロバイオティクス>について紹介します。
プロバイオティクスとは?
-
人間の腸管には、およそ1000種類以上、約100兆個、重さでは1kgもの腸内細菌が存在するといわれています。たくさんの細菌が住んでいる様子が「お花畑」に見えることから腸内に生息する細菌叢(さいきんそう)は「腸内フローラ」と呼ばれています。
プロバイオティクスとは「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物」と定義されています。
プロバイオティクスの条件は以下の通りです。
- 安全性が保障されている
- もともと宿主の腸内フローラの一員である
- 胃液、胆汁などに耐えて生きたまま腸に到達できる
- 下部消化管で増殖可能である
- 宿主に対して明らかな有用効果を発揮できる
- 食品などの形態で有益な菌数が維持できる
- 安価かつ容易に取り扱える
ヨーグルト、乳酸菌飲料、チーズ、漬物、酢、甘酒、納豆、みそ、しょうゆ等がこれにあたります。ただし、漬物や味噌など塩分の強いもの、甘酒のように糖分の多いものは摂取量に注意しましょう。
一度にたくさん、または数回食べただけ、では腸内環境が整うための効果は十分ではありません。継続して食生活に取り入れることを心がけましょう。
主食・主菜・副菜のそろったバランスのよい適量の食事とともに、プロバイオティクス食品も摂取し体の中から免疫力をUPさせましょう!
「特定保健用食品の商品情報:お腹の調子を整える等の表示をした食品」
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所