2021年7月-2号 ドクターコラム

熱中症について

救急科 部長 中野 貴明

今年も暑い季節が到来です。毎年、この季節になると熱中症の患者さんが増えてきます。
今年もコロナの影響で皆さんも家で過ごす機会も多くなり例年ほどは熱中症患者さんが多くはならないのではないかと予想しながらコラムを書かせていただいています。

マスク熱中症

  • コロナの影響でマスクを着用し外出することになり、気になるワードはマスク熱中症。 テレビでも取り上げられているので耳にしたことがあると思います。マスクをしていると熱の放散がうまく行かずに熱中症になってしまうというものです。

しかし、このマスク熱中症という現象は実は医療では証明されていません。 マスクを使用しての運動の後に深部体温を計測しても0.6度しか上昇しないとの報告もあります。しかしながら、深部体温のみが熱中症のリスクになるわけではなくマスクをしていると水分摂取が煩わしくなり脱水になってしまうなど他の要因も考慮しなければなりませんが、そこまでは分かってはいません。

  • 少なくとも、マスクによる生活様式の変化があるということは事実です。 では、水分摂取をどのように考えるかに関してですが、口渇が出現してきた時点ですでに脱水は始まっています。また、高齢者は喉の渇きを感じる「口渇中枢」が減退するため、実際には水分が必要な状態であっても喉の渇きが感じにくくなると言われています。

しかし、持病などで水分摂取が体に悪影響を及ぼしてしまう方もいらっしゃいますので、予防的に水分摂取を薦めることも難しいです。持病をお持ちの方は主治医にどの程度の水分摂取を行えば良いのか質問するのが良いでしょう。

  • 持病のない方はマスクによる水分摂取の遅れを自覚しながら適宜、水分摂取して頂くことを推奨します。密ではない場所ではマスクを外しながら適宜、休憩しましょう。

    熱中症弱者や小児などもこの生活様式の変化の中ではさらに辛い夏になると考えます。全員が同じではありませんので周囲の方への配慮を行いながら夏を乗り切っていきましょう。

熱中症の症状で受診をされる場合は下記へご連絡ください。

044-322-9991(代表・24時間受付)