リハビリテーション科コラム

夏バテ症状を改善するには? ~秋に実践したい生活指導と運動療法

リハビリテーション科 作業療法士 町田 和矢

掲載日:2025年10月6日

はじめに

  • 夏バテイメージ
  • 暦のうえでは秋になりましたが、暑さが続いていますね。残暑の影響で「なんとなく疲れが取れない」「体が重だるい」と感じることはありませんか?これらの症状は、いわゆる“夏バテ”の一種であり、その原因の一つに「自律神経の乱れ」が挙げられます。

自律神経とは、私たちの意思とは関係なく、呼吸や血流、消化、体温調節などをコントロールしている神経です。暑い日が続くと、体は汗をかいて体温を下げようと働きますが、それが長期間続くと、自律神経に大きな負担がかかり、うまく働かなくなってしまいます。その結果、疲労感、睡眠の質の低下、胃腸の不調、気分の落ち込みなど、さまざまな不調が現れるのです。

リハビリの視点からは、このような状態を改善するために、「軽い運動」「呼吸法」「生活リズムの調整」が効果的です。

おすすめ①:ストレッチ

最近の研究では、足趾屈筋の筋力低下が転倒リスクと強く関連していることが分かってきました。また、足趾の力がある人ほど歩幅が広く、バランス能力も高い傾向があることも報告されています。

例:肩回し運動

両肩をゆっくりと前に5回、後ろに5回まわします。呼吸を止めず、リラックスしながら行うのがポイントです。

おすすめ②:腹式呼吸

副交感神経を高める「腹式呼吸」は、自律神経の調整に有効です。

やり方

鼻からゆっくり息を吸いながらお腹をふくらませ、口からゆっくり吐いてお腹をへこませます。吸うのに4秒、吐くのに6〜8秒くらいを目安に、1日5分ほど続けましょう。

効果

気持ちが落ち着き、寝つきもよくなります。特に、就寝前や緊張しやすい時間帯に行うのがおすすめです。

おすすめ③:軽い有酸素運動

ウォーキングや足踏み運動など、リズムよく体を動かすことで、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになります。

テレビを見ながら、その場で足踏みを1分×3セット行うだけでも十分です。可能であれば、朝の涼しい時間に10分程度の散歩も効果的です。

これらの運動は、体力に合わせて無理のない範囲で行うことが大切です。また、生活リズムを整えることも忘れずに。決まった時間に起きて朝日を浴びる、食事をしっかり摂る、ぬるめのお風呂で体を温める、といった工夫も自律神経の安定につながります。

心と体のバランスを整えるためにも、簡単な運動や生活習慣の見直しから始めてみましょう。
一緒に元気な毎日を目指しましょう!