リハビリテーション科コラム

足関節可動域制限について

リハビリテーション科 理学療法士 中村 拓海

掲載日:2024年3月25日

  • 足首イメージイラスト
  • 足首には主に底屈/背屈、内転/外転、内返し/外返し、回内/回外の4つの動きがあります。今回は底屈/背屈の制限によって身体にどのような影響があるのか。また、その予防や改善のためのストレッチやトレーニング方法についてまとめました。

底屈と背屈

【底屈】
足首が伸びてつま先が下に倒れていく動きの事です。歩行で地面を蹴り出すときや靴を履くときに足関節は底屈します。

【背屈】
足のつま先を足背(足の甲)に曲げる動作の事。歩行で足を前に出して接地する時やしゃがみ込む時に足関節は背屈します。

この底屈・背屈の動きが悪いと身体にどのような影響があるのでしょうか。

①転倒しやすくなる

上記にある通り、歩行中の足首の動きはとても重要です。背屈の動きが悪いと、つま先が上がりきらず躓きやすくなります。また、足首の柔軟性が乏しいと、バランスをうまく保てず転倒リスクが高くなります。

②血流の停滞

足首の動きが悪いと血流が滞り、冷えや浮腫を引き起こす可能性があります。ふくらはぎの筋肉は第二の心臓と言われており、足首の運動によりこの筋肉が活動しポンプの役割となり血液を押し上げるのです。

③股・膝関節への影響

人は股関節・膝関節・足関節が連動してバランスをとっています。その一部である足首の動きが悪いと他の股関節・膝関節への負担が増え疼痛や疲労などを引き起こしやすくなります

これらを予防するための簡単なストレッチとトレーニング方法を紹介します。

ストレッチ

  1. 両手を壁にあて伸ばしたい方の脚を1歩後ろに下げる
  2. 踵は浮かさずに前の脚に重心を乗せる。(30秒ほど)
    ※膝を伸ばし反動をつけずにじっくり伸ばします。

トレーニング

  1. 座位にて足の裏を地面につけてつま先を上げる(10回)踵を上げる(10回)
  2. 立位にて両脚を肩幅にし踵を上げる(10回)