掲載日:2024年3月16日
当院は現在、急性期、回復期、生活期と幅広い分野でリハビリテーション を行っています。今回は急性期、回復期、維持期(生活期)に分けた作業療法士の役割についてお話したいと思います。
急性期のリハビリテーション
急性期のリハビリテーションでは、発症後1〜2日でリハビリテーション を行うことも珍しくありません。また発症早期は意識状態が良くない、呼吸状態や血圧が不安定であることも多くあります。その中で作業療法は将来の生活を見越し、その時の症状に合わせて、心と体の基本的な機能の改善を援助するとともに新たな機能の低下を予防します。
回復期のリハビリテーション
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回復期のリハビリテーションでは、急性期の作業療法を経て、病気や怪我の状態が安定したら、より具体的な生活をイメージして機能や能力の改善を図ります。生活していくために必要な能力の開発や手段の獲得を通じて、人それぞれに応じた生活の方法を習得します。具体的な訓練としては着替えや入浴動作の練習、掃除や洗濯等の家事練習、外出訓練など外に出る練習を行います。またその人なりの生活の方法を一緒に考え、習得を支援します。
生活期のリハビリテーション
生活期のリハビリテーションでも回復期リハビリと同様に、その人の生活に寄り添った訓練行います。病歴が長期にわたる対象者に寄り添い、日常生活を豊かにするための最大限のサポートをするのが生活期リハビリです。具体的な訓練としては実際に一緒に買い物に行く、仕事場に近い環境での社会復帰の練習、自助具を利用し趣味や生活を楽しむ援助を行います。
最後に
リハビリテーションとなると体を積極的に動かすことをイメージすると思います。しかし、患者さんは慣れない環境や今後に対する不安など精神機能が低下しやすい状況となっています。作業療法士は趣味や楽しむ活動を提供しながら精神的にもサポートしていく職種であると考えています。
一般社団法人 日本作業療法士協会HPより