2023/11/21掲載
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腰痛を生じた際の対処法として、コルセットや腰痛ベルトを挙げる方は多いのではないでしょうか。ただ、コルセットにもいくつかの種類があり、個々の状態に合ったものを使用することが重要です。今回は当院でよく使われているコルセットと注意点について紹介させていただきます。
コルセットの種類
コルセットは脊椎疾患で適応となる場合が多く、患部の安静や疼痛の緩和を図るため、硬性コルセット、軟性コルセット、軟性装具等が治療に使用されます。
1)硬性コルセット
材質・形状 | プラスチックや金属などで体幹を覆うようなもの |
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目的 | 屈伸、側屈、回旋を制御し脊柱の全方向の強固な固定 |
適応例 | 胸腰椎の圧迫骨折(病的骨折含む)、胸腰椎の炎症(化膿性脊椎炎など)・腫瘍、術後の固定 |
2)軟性コルセット
材質・形状 | メッシュ素材を主材とし、必要に応じプラスチックや金属を上下方向に部分的に用いたもの(代表例:ダーメンコルセット) |
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目的 | 腹圧上昇による脊柱への荷重の軽減、運動制限による脊柱安定化 |
適応例 | 椎間板ヘルニア、すべり症・分離症、圧迫骨折(保存療法) |
3)軟性装具
材質・形状 | メッシュ素材で伸縮性の高いベルトを用いたもの |
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目的 | 腹圧上昇による脊柱への荷重の軽減、安定化 |
適応例 | 腰痛、腰椎疾患の固定術後 |
装着の注意点
コルセットの下端が腰骨にかかるように、適度にきつく装着します。
- 体を動かすことで上方にずれてくることがあるため、気が付いたら装着し直します。
- 金属部など局所に当たる部分があれば、タオル等を挟み、傷にならないように注意します。
- 息苦しかったり、動きづらくなったりするため、緩く装着する方がいらっしゃいますが、十分なコルセットの効果が得られないため、気を付けましょう。
*臥床(がしょう)時は装着する必要がないことが多いですが、医師から指示された場合はその内容を遵守しましょう。
コルセットによる弊害
長期間のコルセットの装着で、体幹の動きが制限されることにより、可動域や柔軟性、体幹周囲の筋力が低下することが懸念されます。特に体幹のインナーマッスルは深層に位置し、脊柱の安定化に作用するといわれています。その中でも腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群はコルセット筋ともいわれ、コルセットと類似する作用をもっており、筋力低下をおこさないようにすることが重要です。
筋力が低下してしまうと、体幹が動作の軸として機能できず、様々な動作でふらつきやすくなってしまいます。コルセットを使用していない方でも体幹筋の筋力低下はおこりやすいものです。今のうちから強化していきましょう。
エクササイズ
体幹 編
当院リハビリテーション科による「自宅でできるトレーニング動画」です。体幹をしっかり鍛えて、毎日を楽しく過ごしましょう!
(再生時間 5:13)
義肢装具のチェックポイント. 日本整形外科学会, 日本リハビリテーション医学会. 医学書院. 2017.