リハビリテーション科コラム

車椅子クッションの存在について

リハビリテーション科 理学療法士 榎本 淳史

2023/6/21掲載

  • 車椅子
  • 車椅子に長時間座っているとき、お尻が痛くなったり、姿勢が崩れたりしたことはないでしょうか?私は以前、車椅子の選定についてお話をさせていただきました。(コラム「使用している車いすは本当に体に合っていますか?」)その際に、シーティングというお話しがあったと思います。車椅子の選定の時も、お話ししましたが、使用する方は体格や目的など違います。今回もシーティングのひとつである車椅子クッションについてお話しします。

はじめに、車椅子クッションといってもどういうものかピンとこない方もいると思います。
クッションには大きさや材質・形状など使用目的・種類が変わってきますので、以下にお話していきます。

車椅子クッションの使用目的

①臀部の支持 ②接触圧の低下 ③坐骨結節や大腿部への摩擦やせん断力の低下 ④対称性の姿勢 ⑤安定性 ⑥機能性 ⑦安楽性 などが挙げられます。

クッションの種類

大きくウレタン・ゲル・エアの3つに分けられます。

ウレタン

硬さや反発力によって異なります。姿勢保持する機能があります。

長所:安価、軽量
短所:水分や日光で劣化しやすい

ゲル

圧力を分散する機能や衝撃を吸収する機能があります。

長所:長時間座っていてもお尻が痛くなりにくい。座り直しができない方に適す
短所:重量、長時間では蒸れやすい

エア

空気量の調節にて、座り心地を変えられる機能があります。

長所:長時間座っていてもお尻が痛くなりにくく、クッションの変形が少ない
短所:空気量の管理が定期的に必要

今回の車いすクッション、前回の車椅子の選定の二つ合わせてその方の必要とされるシーティングになります。なにかお困りでしたらリハビリテーション科までご連絡ください。
一人一人にあったシーティングを行っていきます。

【参考文献】
日本シーティング・コンサルタント協会