リハビリテーション科コラム

心臓リハビリテーション、ご存知ですか?

リハビリテーション科 理学療法士 早乙女 美里

2023/5/9掲載

最近話題の心臓リハビリテーション(心リハ)、聞いたことはありますか?

心臓病と聞くと安静の文字が頭に浮かぶかもしれませんが、最近では体力・筋力の向上、いわゆる心リハが長期予後やQOL(Quality Of Life:生活の質)の向上につながるとされています。今回はそんな心リハについて、心不全を含めて簡単にご紹介いたします。

心不全とは

心筋症や心臓弁膜症、不整脈など心疾患には様々なものがあります。その中でも心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなっている状態を心不全といいます。主に息切れや呼吸困難感、足のむくみが症状として現れます。

心不全とそのリスクの進展ステージ 【引用】国立研究開発法人科学技術振興機構より参照

心リハとは

心リハとは、体力を回復し自信を取り戻すことで、快適な家庭生活や社会生活に復帰するとともに、再発・再入院を防止することをめざしておこなう総合的活動プログラムのことです。内容としては運動療法と学習活動・生活指導・相談などを含みます。

運動療法の内容としては、歩行やエルゴメーターなどの有酸素運動とマシンなどを使用する筋力トレーニングが主になってきます。心臓の機能は全身の筋肉量が重要になってきます。過去に掲載している「心不全に対するリハビリテーション:心不全と運動」をご参照いただければと思いますが、実際に心臓を鍛えるわけではなく、筋肉の量を増やしつつ全身の血流を改善し、心臓の負担を減らすことが目的です。

当院での心リハ外来

  • リハビリテーション室リハビリテーション室
  • 当院では外来での心リハプログラムを実施しております。介護保険を申請されていない方を対象に、循環器内科の医師からの指示の下、リハビリ開始日より150日の期間で集中的に行うプログラムです。ただし、国で定められている基準があり、適応病名は心筋梗塞・狭心症、開胸術後、慢性心不全(BNP>80pg/mLまたはNT-proBNP>400pg/mL、EF40%以下、最高酸素摂取量が基準値80%以下)となっています。興味がある方は主治医の先生とぜひご相談ください。