自助具とは
障がいや病気などによる麻痺や加齢によって、心身機能・身体構造上の理由から、日常生活で困難を来している動作を、可能な限り自分自身で容易に行えるように補助し、日常生活をより快適に送るために、特別に工夫された道具のことを指します。
自助具の選択
購入方法は?
介護用品ショップや福祉機器を取り扱う店舗もしくはインターネットなどの通信販売サイトから購入可能です。
また、自助具として販売されていない一般日用品や専門家が使う道具の中にも、工夫次第で自助具に利用できるものがたくさんあります。視点を変えて本来の使い方以外の方法で使うことで、その人の生活に活用できることもあります。市販品の組み合わせや改良をする際は安全性を十分考慮する必要があります。
購入の注意点
購入の注意点としては以下を避けたものがよいでしょう。
- 大き過ぎるもの
- 重い
- 機能が複雑
- 見た目が良くない
- 使う人の感性が考えられていない
主な自助具を生活分野別に分けた選び方のポイント
食事に関する道具
スプーン・フォーク
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- 持ち方=握るのか、手にはめるのか
- 食器(皿など)からすくいやすいか
- 口元に運びやすいか
- 使う人に適した大きさ、重量
- 使う人に合った加工、調整ができるか
- 口に入る部分には安全な材料が使われているか
箸
- 握りやすさ
- 小さなものが掴めるか
- 清潔が保てるか
食器
- 食生活に適した食器や道具を活用する
- 清潔さが保てる素材と構造
整容・身だしなみ
- 使いやすい長さと重さ
- 持ちやすい握り部分
- 清潔が保てる素材
更衣
- ボタン掛けは、使用するボタンの大きさに対応できるもの
- ソックスエイドは、必ず使いやすさを試す
入浴
- 身体にあたる部分が好みの素材か
- 手の動きと持ちやすさ
- 持ったときのバランスと曲がり角度
家事に関する道具
調理用具
- 自分の作りたい料理の内容に合わせる
- 大きさ、重さ、素材を調べる
- 毎日のことなので、実際に使い勝手を試す
いずれの自助具も使う人の生活環境や障がいは一人ひとり異なるため、対象者の日常生活動作の遂行状況、心身機能の状態、対象者の生活様式に応じた要望の強さ、使用に対する理解が適用の是非を判断する因子となります。
自助具選択の留意点
一般に自助具は自分で日常生活を自立させるために必要とする以外は用いないのが原則です。自助具にはさまざまな目的がありますが、自助具を導入されると、その障がいが治らないと宣告されたように受け止めてしまったり、障がい者のレッテルを貼られてしまうと感じて拒絶する場合もあります。
また、自助具を使用することで、他の関節にはかえって負担が増えてしまう場合や、自助具に頼るあまり本来の関節の動きが少なくなり、廃用(過度の安静や活動性の低下)的に筋力低下や関節可動域制限を起こす、ニ次的障害も起こりえます。したがって、自助具の導入は慎重に、個々に合わせた対応が必要です。
最後に
市販品はシンプルな作りで、意外と高価であったりします。インターネットでもさまざまな作成事例があるので興味のある方は参考にしながら、この外出自粛期間にオリジナルな自助具を作ってみてはいかがでしょうか。