2021年8月号(2021/12/1)

「体力」について

リハビリテーション科 理学療法士 山下 美香

  • 体力とは
  • 体力がおちたな~。と感じることはありませんか?
    リハビリを行う中で「体力が落ちました」という言葉を良くお聞きします。ここでみなさんのいう【体力】とはどういった事なのか、お話したいと思います。

体力とは

体力とは、【行動体力】と【防衛体力】の二つに大別されます。

行動体力とは

筋力・持久力(スタミナ)等身体的体力のこと。力が発揮しにくくなった、すぐ疲れる、歩くのが億劫になったなど多くの方は年齢を重ねるごと感じるようなっているのではないでしょうか。

防衛体力とは

病気に対する免疫力、気温や環境の変化に応じて身体を調整する力、不安や緊張に対する抵抗力であり、目に見えにくい能力とされています。上記の行動体力の低下が一因でこちらも低下してくるとも言われています。

上記の通り、【体力】といっても言葉の意味は広くありますが、多くの方が感じやすいのは先述の通り行動体力かと思います。これに関しては元来、10歳台がピークといわれており、そこから年齢とともに維持しにくくなると言われています。

しかしながら日々の何らかの努力や工夫で維持することができるのも事実です。 また持久力、筋力が高い人ほど、心臓病をはじめとする様々な疾患にかかりにくいということを証明する多くのデータも出ています。

身体の著しい衰えは行動への制限だけでなく病気への発症率を高めたり、精神的ストレスへの影響も大きく、それらが日常生活の質にまで影響をもたらします。

体力が一度落ちると回復には多大なる時間を要します。年齢を重ねればただでさえ落ちていく体力は、向上を目指すのは容易ではありません。普段から少しの努力で身体を動かすこと=まずは現状を維持することが大事になってきます。

コロナが流行している今、ジム・体操に通う、外でウォーキング・散歩をするなどはリスクもあり難しい事ですが、自宅の中でもできることはあるはずです。
どんなことでも、いつもより意識を高く持ち体を動かしてみる。まずはここから始めてみてはいかがでしょうか。