掲載日:2025年12月2日
はじめに
-

-
夜型のライフスタイルの普及により睡眠や自律神経に不調を抱える人が増えています。睡眠不足は、身体、情緒、行動、認知など多くにわたり影響を及ぼします。身体面では自律神経症状や免疫力の低下を引き起こします。情緒面では不安、抑うつや気分の変調をきたします。また行動面では多動や攻撃性がみられ、認知面では注意、記憶の低下がみられます。
良い睡眠とは
適切な睡眠の目安として、朝目覚めたときにしっかりと休まった感覚(休養感)があることが重要です。睡眠休養感の低下は、身体や心の不良健康状態と関わることが明らかにされています。
良い睡眠をするための工夫
①日中の運動・身体活動を増やす
日中に体を動かし、適度な疲労を感じることで寝つきが促され、中途覚醒が減り、睡眠の質が高まります。ストレッチやヨガなどの低負荷の運動や、ウォーキングや軽い筋力トレーニングなどの中負荷の運動を取り入れ、睡眠の質を改善していきます。寝る前の運動はかえって覚醒を促すので避けましょう。
②寝室の環境を整える
寝る際の環境で重要なことは「光・温度・音」です。朝日を浴び、日中は明るく夜は暗い環境を心掛けることで体内時計が整いやすくなります。室内は暑すぎず寒すぎず調整します。夏は28℃、冬は18℃を目安に調整しましょう。音は騒音に注意し、できるだけ静かな環境で眠りましょう。
③嗜好品とのつきあい方を見直す
寝る前にリラックスすることは寝つきを良くするために効果的です。飲酒や喫煙などの嗜好品は使用する量やタイミングを誤ると睡眠を悪化させます。過量なカフェイン摂取を控える、晩酌は控えめにして寝酒はしない、喫煙をしないように気を付けていきます。
まとめ
適度な運動と規則正しい生活を維持し、日中は明るい環境でできるだけ活動的に過ごすとともに、夜間はやや暗い環境でゆったりとリラックスして過ごし、1日の睡眠・覚醒のリズムにメリハリをつけることが大切です。
・厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023
・豊浦麻記子 ほか.概日リズム・睡眠と自律神経機能