看護師コラム
自分で緊張や不安をほぐす方法
精神看護専門看護師 中嶋 須磨子
掲載日:2024年4月23日
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人は緊張すると、呼吸が浅くなって口がカラカラになったり、心臓がバクバクして嫌な汗をかいたり、色々な考えが頭を駆けめぐったりします。これは、交感神経が優位になり身体が「戦闘モード」になっている状態です。そのような時、過度な緊張や不安をすぐに和らげる方法を知っていると安心ですよね。
今回は、当院の新入職看護師の研修の中で話した「自分で緊張や不安をほぐす方法」をご紹介したいと思います。
(1)深呼吸をする
呼吸は意識的にコントロールすることができます。ゆったりした呼吸を繰り返すことで副交感神経が優位に働いて落ち着くことができます。
<腹式呼吸>
鼻からゆっくり息を吸い込みます。この時、お腹に手を当てて膨らんでいることを確かめます。吸いきったら、お腹の空気を押し出すように、口からゆっくり吐き出します。息を吐く時は吸う時の2倍の時間をかけます。
<3・2・5の呼吸>
3秒かけてたっぷり息を吸い込み、2秒息を止め、5秒かけて吐き出します。
<あくびの呼吸>
人は緊張を和らげるために本能的な防衛反応としてあくびが出ます。大きく口を開けて息を吸い 込み、力を抜いてため息のように息を吐き出しましょう。
(2)身体を動かしてみる
不安や緊張が高まった時は、無意識のうちに身体に力が入り固くなっています。身体の力を意識的に抜くことで心もリラックスできます。
<肩の力を抜く>
両腕を肩の真下に下げ、こぶしを軽く握ります。肩をすくめるように上げ、その状態を10秒間 キープします。その後、一気に肩と腕をストンと落とします。
(3)ツボを押す
息を吐きながら3~5秒間、「痛気持ちいい」と感じる位を目安に指圧します。
<緊張に効くツボ>
- 合谷(ごうこく)・・・人差し指と親指の骨が交差する少し上
- 内関(ないかん)・・・手首の横じわから肘の方に指3本分のところ
- 老宮(ろうきゅう)・・手を握った時に中指の先端が当たるところ
- 百会(ひゃくえ)・・・頭のてっぺん
- 神門(しんもん)・・・手首の小指側にある出っぱった骨の下
(4)自己暗示(おまじない)をかける
ストレスが強い状況では「失敗したらどうしよう」「自分には無理かも」といったネガティブな思い込みを無意識にしてしまいがち。「大丈夫」「私ならできる」とポジティブな自己暗示(おまじない)で緊張をほぐしましょう。
さいごに
これらの方法を組み合わせて、自分にとって効果的な方法をみつけましょう。また、定期的に練習することによって、緊張や不安を感じた時にすぐに対処できるようになります。
その他に日常的にできる方法としては、音楽を聴く、好きな香りを楽しむ、日記をつける、シャワーではなく湯舟に浸かる、人と話すなどがあります。自分に合ったリラックス法を日常生活に取り入れてみてください。