2020年9月号 ドクターコラム

てんかんと診断をされた方へ(第二回)

小児科 医長 田村 雅人

てんかんと診断をされた方へ

  • てんかんと診断をされた方へ
  • てんかん治療の目的は、発作を起こさないようにするためです。発作を起こすと事故にあったり怪我をする危険があります。また、繰り返す発作を治療せずに長期間放っておくと、薬が効きにくくなったりすることがあります。発作をしっかりと抑えることで、発作を起こしにくくなります。最終的には治療をしなくても発作が起こらない状態を目指します。

てんかんの薬物治療

てんかん治療の基本は抗てんかん薬を内服する、薬物治療になります。抗てんかん薬はいくつか種類があります。また、てんかんにもいくつか種類があります。てんかんの種類によって薬の効きやすさが異なるので、合ったものを選択します。

治療中の日常生活

日常生活の制限は基本的に行いませんが、湯船への入浴と海・プールでの遊泳は条件をつけます。湯船への入浴時の発作による溺水事故はてんかん患者に多いです。ご家族と一緒に入浴される場合は心配いりません。一人で入浴する際は、家族が様子を見にこれる状況を作ったり、シャワーだけにするなどの対応が必要になります。海・プールでの遊泳も保護者監視のもとでのみ許可します。

同じ水に関わることで、学校での水泳が問題になりますが、こちらは制限していません。てんかん発作はリラックスした時に起こりやすく、緊張状態では発作を起こしにくいものです。学校での水泳は緊張下にあり、発作を起こしにくい状況なのです。

しかし、そうしたことが分かっていても制限されてしまう場合があります。ご家族が授業中に見守っていなければならない、水泳帽の色を一人だけ違う色にする、などの事例をよく経験します。管理する学校側の立場もあるので、一方的にこちらの意見を押し付ける事はできませんが、話し合いや診断書で対応できることがあれば対応しています。

治療期間のこと

薬をやめるタイミングは、脳波異常がなくなれば2、3年を目安に。脳波異常が残っている場合でも5年続けて発作を起こさなければ薬の中止を試みます。中止後も再発がないか、脳波の変化も含めて1、2年間観察して、問題がなければ終了です。

最後に

てんかんは年単位での治療を要する慢性疾患です。そのため疾患への理解、治療に対する本人とご家族の意欲が大切になります。診療の中で、本人やご家族の理解が深まり、主体的に治療に望めるよう、丁寧な説明をするよう心がけています。