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2019年3月号 ドクターコラム

不妊症について

産婦人科 医長 原 周一郎

不妊症について

不妊症について

近年、女性の社会進出、価値観の多様化などにより、晩婚化、晩産化がすすんでいます。そのため不妊治療を受けるカップルも年々増加傾向にあります。国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、不妊治療や検査をうけたことのある夫婦は5.5組に1組と言われています。

今回は不妊症とは何か、その原因は、そして不妊治療の流れについて解説します。

「不妊症」って何?

通常の夫婦生活を行った場合、1年で約8割、2年で約9割のカップルに妊娠が成立すると言われています。不妊症の定義は「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにも関わらず、妊娠の成立をみない状態」とされています。一定期間の目安は1年というのが一般的です。

「不妊症」の原因は?

「不妊症」の原因は?

妊娠は女性の体に起こるものであり、女性に原因があると思われがちですが、実際はそうとも限りません。女性に原因がある場合、男性に原因がある場合、双方に原因がある場合、原因がわからない場合など多様です。不妊症の原因は男女でおおむね1:1と言われています。

女性側の原因としては、排卵因子(排卵障害)、卵管因子(卵管閉塞、卵管周囲癒着)、子宮因子(子宮筋腫、子宮内膜ポリープ)、頸管因子(頸管粘液の分泌異常)、免疫因子(抗精子抗体)など。男性側の原因として性機能障害、精子の数や運動率の低下があげられます。そのうち排卵因子、卵管因子、男性因子が不妊症の3大原因と言われています。

一般的な不妊治療の流れは?

血液検査や超音波検査、卵管造影検査、精液検査などを行い、不妊原因を調べます。その原因や年齢、不妊期間により多少手順は変わってきますが、一般的には次のようにすすめていきます。

  • ①タイミング療法
    卵胞の大きさなどから排卵日を予測し、その前に夫婦生活を営んでいただきます。
    排卵がうまくいかない場合には排卵誘発剤を使用する場合もあります。

  • ②人工授精(AIH)
    超音波検査で排卵日を予測します。採取した精液を洗浄し、運動良好精子を選別して子宮内に注入します。多くは6回以内に妊娠することが多いので、AIHを6回行っても妊娠しない場合には体外受精をおすすめすることが多いです。

  • ③体外受精(IVF)
    細い針を用い、排卵直前の卵巣から直接卵子を採取します。採取した卵子と精子を体外で受精させ、受精した卵を子宮に移植します。精子の状態がよくない場合などでは顕微授精(ICSI)を行います。
不妊治療について
日本生殖医学会ホームページより抜粋