2021年4月掲載 薬剤科コラム

保険薬局の調剤以外の機能について

薬剤科 田中 佑樹

日頃、入院患者さんに退院時お薬をお渡しする際、以降外来でお薬を受け取って自宅で管理する事への不安を相談される方がいらっしゃいます。今回は、外来でお薬をお渡ししている保険薬局の調剤以外の機能、役割についてお話したいと思います。

① 外来服薬支援(複数医療機関の処方一包化など)

病院へかかるとき、腰の痛みはA病院の整形に受診、高血圧はB病院の内科に受診など外来で薬物治療される際は複数の病院から薬が処方されることは少なくないと思います。処方された薬はどこで受け取りますか?

受診する病院が変わっても同じ薬局でお薬を受け取れば、薬の管理をしてくれることが多いですが、やはり病院の目の前の薬局で受け取る方も多いと思います。様々なお薬を患者さんご自身で管理することは薬の量が増えれば増えるほど大変です。

かかりつけ薬剤師」とは、薬による治療のこと、健康や介護に関することなどに豊富な知識と経験を持ち、患者さんや生活者のニーズに沿った相談に応じることができる薬剤師のことをいいます。 かかりつけ薬剤師は、皆さんご自身が選択するものです。ここでは、かかりつけ薬剤師の機能と利用するメリット、具体的な活用方法についてご紹介します。

外来服薬支援外来服薬支援

(a) ひとりの薬剤師がひとりの患者さんの服薬状況を一元化し管理する機能

薬を安全・安心に使用していただくため、処方薬や市販薬、サプリメントなど、あなたが使用している薬等の情報を一元化し、薬の重複や飲み合わせのほか、薬が効いているか、副作用がないかなどを継続的に確認します。

(b) かかりつけ薬剤師による24時間の電話対応

休日や夜間など薬局の開局時間外も、電話で薬の使い方や副作用等、お薬に関する相談に応じています。また、必要に応じて夜間や休日も、処方せんに基づいてお薬をお渡しします。

(c) 処方医や医療機関と連携する機能

処方内容を確認し、必要に応じて医師への問い合わせや提案を行います。患者さんに薬を渡した後も患者さんの状態を見守り、その様子を処方医にフィードバックしたり、残薬の確認を行います。

お薬だけでなく、広く健康に関する相談にも応じ、場合によっては医療機関への受診もお勧めすることもあります。また、地域の医療機関とも連携し、チームで患者さんを支えられる関係を日ごろからつくっています。

かかりつけ薬剤師かかりつけ薬剤師
薬剤師訪問のながれ薬剤師訪問のながれ
【参考文献】
1) 保険調剤の理解のために 厚生労働省ホームページ
2) 患者のための薬局ビジョン 厚生労働省ホームページ
3) 薬局薬剤師の業務 厚生労働省ホームページ
4) かかりつけ薬剤師・薬局とは 日本薬剤師会ホームページ