看護師コラム
5類移行後も感染対策を
感染管理認定看護師 井上 美智
2023/7/18掲載
2023年5月8日から新型コロナウイルスの感染症法の位置づけが「5類」(季節性インフルエンザと同じ)となりました。
しかし新型コロナウイルスは
- 感染力が非常に強く、条件が揃えば一気に拡がること
- 高齢者や基礎疾患のある方の重症化リスクが高いこと
など実態は、変わるものではありません。また、ここにきて一日あたりの新規陽性者数は、再度増加の兆しが見られます。
感染対策の実施については、個人・事業者の判断が基本となりますが、以下の内容を参考にしていただければと思います。
基本的な感染対策の考え方
マスクの着用
個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねることを基本としつつ、高齢者など重症化リスクの高い方への感染を防ぐため、マスク着用が効果的な場面では、マスクの着用を推奨します。
マスク着用が効果的な場面
- 医療機関受診時
- 高齢者など重症化リスクが高い方が多く入院・生活する医療機関、高齢者施設、障害者施設への訪問時や従事者の勤務中
- 通勤ラッシュ時など混雑した電車やバスに乗車する時(当面の取扱)
- 新型コロナ流行期に重症化リスクの高い方(65歳以上の方、基礎疾患のある方、妊婦など)が混雑した場所に行く時
手洗いなどの手指衛生、換気
- こまめな手洗い・消毒、定期的な換気
療養期間(外出自粛)の考え方
- 法律に基づく外出自粛は求められず、以下を参考に個人で判断
外出を控えることが推奨される期間
- 発症日を0日として、5日間は外出を控えることを推奨 かつ、5日目になっても症状が続いている場合は、症状軽快から24時間経過するまでの間は外出を控え、様子を見ることを推奨
周りの方への配慮
- 発症後10日間が経過するまでは、ウイルス排出の可能性があることから不織布マスクを着用したり、高齢者などハイリスク者と接触は控えるなど、周りの方にうつさないよう配慮しましょう。
濃厚接触者について
- 濃厚接触者の特定や濃厚接触者に対する外出自粛の推奨は行わない
流行期における「三つの密」の回避、人と人との距離の確保
- 流行期になった場合には、高齢者など重症化リスクの高い方は、換気の悪い場所や不特定多数の人がいるような混雑した場所では、近接した会話を避けることを推奨(避けられない場合はマスク着用が有効)
家族が新型コロナウイルスに感染した時のポイント
新型コロナウイルスに感染された方について
発症後5日間かつ症状軽快24時間程度は他の人に感染させるリスクが高いことから、外出を控えることが推奨されています。また10日間が経過するまではマスクを着用し、周りの人へうつさないように配慮しましょう。
お世話する方や同居家族について
ご自身の体調にも注意してください
- 感染した方の発症日を0日として、特に5日間は注意してください。
7日目までは発症する可能性があります。 - 外出するときは人込みを避け、マスクを着用しましょう。
家庭でできる感染対策
- 窓を開けて換気(定期的に)
- 部屋を分ける(可能な範囲で)
- マスク着用
- こまめな手洗い
【引用】参考:厚労省ホームページ「新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について」